第41話 魔闘術②
今日は2回目の魔闘術研究の授業
今回は最初から広場集合である
サボ先生は相変わらずジャージにボサボサ髭で遅れてやってくる
「時間くらい守ってください」
「へぇへぇ悪ぅござんした」
怒るキルシに悪びれもせずヘラヘラするサボ先生、キルシはキッと睨むが前回負けた事もありそれ以上何も言わない
「で、今日は何やるんですか?」
「その前に魔闘術について教えてやる。お前ら魔闘術とはどんな武術だと思う」
「……」
実際に戦ったキルシではあったが前回何をされたのかすら分かっておらず答えに困る
「防御主体の武術?」
なんとなく抱いた印象を言ってみる
「んーちと惜しいかな、相手に合わせるって意味じゃ合ってるが防御しかしない訳じゃない。最小限の労力で最大限の結果をこれが魔闘術が掲げる理念であり真理だ」
「最小限の労力で最大限の結果を…」
この言葉に妙にしっくりくる自分がいた
と同時にある人物の顔が浮かんできた
……カイト
よく思い出すとカイトに誘われた時に魔闘術って文字を見た気がした
なんであんなに魔闘術に興味を持ったのか納得できたしサボ先生の動きに既視感を覚えた理由も分かった
だけど…
「サボ先生はどこで魔闘術を知ったんですか」
魔人が使う武術を人間であるサボ先生が知っているのはおかしい
「いやまぁ、ちょっと魔人に知り合いがいてなぁ」
サボ先生がそういうと何故か師匠の顔が浮かんできたが気のせいだろう
「てことはサボ先生は魔大陸に行ったことが?」
「いや行ったことはないんだがそいつはたまに人類大陸に来るんだよ」
ますます師匠っぽいけどそっとしておこう
「さっき最小限の労力っつったが魔闘術の奥義はそんな生易しいもんじゃねぇ」
珍しくサボ先生が真面目な顔になる
「人間は普段身体機能の30%しか使えていない、魔闘術の奥義は残り70%を使う」
「シンプルに3倍強くなるってことですか?」
「そういうこと、だがな使えないものを無理やり使うってことは簡単じゃねぇ」
サボ先生の身体から赤い魔力が吹き出す
見た目もヤバいけど圧力がヤバい
ただ魔力を発しているだけなのに身体が緊張して構えてしまう
「今のが50%までの解放だあれ以上やるとどっかしらの血管が切れちまう。それに50%以上は俺じゃ使えん」
魔闘術…想像以上にとんでもないものだったみたい
*side 目隠しちゃん
私の名前はマリア
私のルーカス様がいなくなってから2年
未だに見つかっていない
周りの人間は死んだと思っているがそんな事は有り得ない
なぜって?彼は私と結ばれる運命にあるから
ありとあらゆる手段を使って彼の情報を集めたけど結局何も分からなかった
魔力もなく戦いが得意な訳でもない私はウェスイーストの高等学園に進学した
ルーカス様に似合う女になる為に長かった前髪を切り、ダイエットをした
客観的に見ても可愛くなったと思う
これでルーカス様に再会した時私に惚れてくれるだろう
そんな事を想像するだけで天にも昇る気持ちになる
あぁ早く貴方様に会いたい
絶対に見つけ出して見せる
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