第38話 騎士高等学園

〜4月〜

桜が至る所で咲いている

春は出会いの季節である

僕にも新たな出会いが待っている

今日僕は騎士高等学園に入学する


バカでかい学園にあるバカでかい講堂

もはやコンサートでも開けそうな広さである

そこで入学式と説明会が行われた


人類学園と大きく違うのはクラスという概念がなく授業は自分で選んで参加するという点

各教科で単位を取得し、進級・卒業に必要な最低単位も決まっている

学科は出席ノルマなどがなくテストで規定点さえとれば単位が貰える教科が多い

逆に必須科目と言われる教科があり

これを取らないと単位数が足りてても進級出来ないものがあるらしい

必須科目には出席ノルマがあり規定回数出席しないとテストでどれだけ点をとっても単位がもらえない

1年の必須科目は騎士道概論、体術実技の2つである

学科はテストだけで充分そうなので実技系をどう組んでいくか…

教科一覧を見ながらある教科が目に留まる

魔闘術研究?魔闘術ってどこかで…

気になった僕は迷わず受講申請をしていた


それから1週間後魔闘術研究の初めての授業があった

場所は狭い教室、先生はまだ来てないみたい

受講者は僕を入れて2人

この授業人気無さ過ぎでは?

もう1人の受講者を見る

黒髪に眼鏡で見るからに頭が良さそうな男子生徒、だが魔力がかなり多い

僕は修行によって人の魔力量を感じられるようになった

その僕から見て彼の魔力量はクレアより多い

クレアの魔力量は僕の1.5倍くらいある

そのクレアより多いなんて彼は一体何者?

というかそんなに魔力がある人間がなぜ魔法学園ではなく騎士学園に?


そんな事を考えていたら授業開始時間から10分遅れて先生がきた

上下黒のジャージにボサボサの髪で髭も伸び放題、ほんとに先生なのか疑わしい


「おー、今年は2人もいんのかウケる」


発言まで先生なのか疑わしい人だ


「遅れてきてその言い草はなんですか」


眼鏡くんがキレ気味に言う

見た目通り真面目な性格なのだろう


「そうカッカすんなって、とりあえず自己紹介からだ。俺はサボ、一応この魔闘術研究の講師ってことになってる」


「僕はルーカス、1年です」


嫌そうな顔をしていた眼鏡くんだが僕が自己紹介すると渋々自己紹介をする


「…キルシ、同じく1年です」


「ルーカスにキルシかこれからよろしく頼むぜ」


まるで友達と会ってる時のようなやる気のなさで言ってくるサボ先生見かねてキルシが声をあげる


「あなたみたいな適当な人がほんとに魔闘術を教えられるんですかっ!?」


まぁたしかに言いたいことは分かるけどそれを直接言うのは違うだろう


「最初の授業だ魔闘術とは何かを教えてやるよ」


サボ先生は怒ることもなく気怠そうに言う

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