高木 瀾(らん) (16)
「関口、逃げろッ‼」
「
奴は関口のハンマの柄を掴む。
だが、一瞬だけ早く、関口はハンマから手を放す。
そして、ヤツは関口のハンマを振り回し……距離を取って避ける関口。
ヤツは振り返り、私に向かって走る。
そこを「四谷百人組」と「原宿Heads」のメンバーが次々と攻撃するが……ヤツはダメージを受けず、逆に攻撃した者達が次々と倒れる。
私は奴に見えないように、大型バタフライナイフの刃を展開。
続いて、腰を落し……そして、刃がヤツの死角に入るように脇構え。
相手からすれば刀の間合が読みにくくなる代りに、相手の攻撃を刀で受ける事が難しくなる……いわゆる「捨て身」の構えだ。
「おっ
ヤツは関口から奪ったハンマを振り上げ……だが、一瞬早く、私がヤツの開いた足を狙った横なぐりの斬撃。
前に出ていたヤツの左足の内股に浅く小さい……そして後ろに引いていたヤツの右足の腿の前部に深く大きな傷。
「なんだ、この程度の傷? ん?」
ヤツは深い右足の傷から治そうとする。傷は、確かに小さくなっていく。
だが……。
「な……なんだ、こりゃ?」
私のバタフライ・ナイフ式の刀は諸刃だ。
片方の刃は……普通の傷。力よりもスピードや技で「斬る」のに向いた「剃刀で切ったような傷」を付けるのに向いている。
もう片方は……わざと「切れ味の鈍い刃物で力まかせに斬った」ような傷を付けるのに向いた刃。……早い話が、対高速治癒能力者用の「刃」だ。
ヤツが「気」で傷口を塞ごうとしても……時間がかかる筈だ。
私は更に斬撃。
だが、ヤツにとっては来ると予想出来た攻撃だ。
切れるのはせいぜい皮まで。
ヤツは更にハンマを振り上げ……私は後退。
ヤツは私を追い……。
次の瞬間、もの凄く大きいと同時に、もの凄くマヌケに聞こえる音が響いた。
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