高木 瀾(らん) (14)

 奴の「気」とやらを追った結果、辿り着いたのは……1階に有る食堂 兼 面会室らしい椅子や数人掛けのテーブルがいくつも並んだ広い部屋。

「おやおや……こりゃ、皆さんお揃いで……」

 そう言っている奴は……ある人物の首根っこを掴んで持ち上げていた。

「え……何で……あいつが……」

「しまった……あいつを捕獲した時に、その場に居たのは……」

「私ら3人と、ウチの親分2人と……残りはヤツとその手下達」

「じゃ、ちょっと目を醒してくれ……もっと『異界』への『門』を開いてもらえるかな?」

 よく判らないが……ヤツは、今回の騒ぎの発端になった脳改造人間の体に「気」とやらを送り込んだらしかった。

 脳改造人間は目を開き……だが、虚ろな目と表情のまま……。

 しかし、「魔法使い」である関口と笹原ささのはらは、私には見えない「何か」を目で追っているように思える仕草。

「マズいのか?」

「とってもマズい」

「とりあえず……やるか……」

「ああ……」

「オン・アニチ・マリシエイ・ソワカ」

「オン・バサクシャ・アランジャ・ソワカ」

 残念ながら、何が起きてるのか、私には見えない。

 そして……。

「何かやったかな?」

 ヤツは余裕綽々の表情だった。

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