高木 瀾(らん) (4)
「あのさ……どう見ても、相手の方が近接戦闘の技量は上だぞ。何で魔法使わない?」
『祭の運営から「カメラ映えする戦い方しろ」って言われてんの』
ややこしいな……。
「相手が、まだ、お前を舐めてるから助かってるだけで……棒術と多節鞭を切り替える戦い方をされたら、絶対にお前の腕じゃ
「待て、そんな塩試合したら客がブーイングの嵐だぞ」
私のアドバイスに対して、何故か関口の味方から苦情……。
「これ、勝つのが目的ですよね?」
「強さをアピールした上で勝つのが目的なの。勝てりゃいいってものじゃない」
ここまで意味不明な「勝てりゃいいってものじゃない」を聞いたの、生まれて初めてだ。
「この『祭』のそもそもの目的は、相手チームに勝つのと、見世物として面白くするのの、どっちですか?」
「両方」
「あの……まさか、わざと両チームが事前に打合せて、大体、同じぐらいの力量で、似たような戦い方のヤツ同士が当たるように調整してます?」
「当り前だろ」
「何で? 何が『当り前』?」
「両方の『自警団』の宣伝と、『祭』による観光収入も、この決闘の目的なんだよ」
……駄目だ、こりゃ。見世物かガチンコか、コンセプトを明確にしてくれ。
……いや待てよ、なら……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます