第8話 僕のクラスは・・・
現在、僕は難しい顔をした大人の人に囲まれている。
なんで囲まれているのか、王都に着いた時から振り返ることにする
王都に着いた日に馬車は学校には向かわずに冒険者ギルドで降ろされた。
そのままカッシュさんの所に案内されて冒険者登録までされた。別にいいけど
その後、入学式は5日後だから、それまでは旅の疲れを取るようにと、宿に案内されて、お小遣いまでもらった。
何か裏がありそうだけど、もらえるものはもらっておく。
村ではお金は使わないから実際無一文だったし
まぁ、食べ物はいっぱい創ってアイテムボックスに入ってるから飢え死ぬことはないけど。
王都の店を見て周り、学校で必要そうなものを買い揃える。
まあ、子供が買い物してれば怪しまれるだろう
僕は見回り中の衛兵さんに連れてかれた
そして冒頭に戻る
「君、名前は?何歳?お母さんはどこかな?」
完全に迷子と思われてる
「エルク、6歳です。母さんは遠くの村にいます」
「お父さんと一緒にきたのかな?」
答え方が悪かった。これは、僕が悪い
「あの学校に通う為に村から1人で来ました。なので父さんも村にいます」
僕は城の近くにある学校を指さす
衛兵さんにじっと見られたあと、
「何言ってるんだい?あの学校は貴族様が通う所だよ。まあ、一応平民もいることはいるけどね。それにあそ…」
埒があかなそうなので、話に割り込んで助けを求めることにする
「冒険者ギルドにいるカッシュさんって方に聞いてください」
「カッシュさんにかい?」
「はい。僕を連れてきたのはカッシュさんです」
衛兵さんは納得いかない顔をしつつも僕を連れてギルドへ向かう。
「カッシュさんはいるかい?この子がカッシュさんの知り合いだって言うんだけどね」
呼ばれて奥からカッシュさんが出てくる
そして僕を見て大笑いする。
「何がそんなにおかしいんですか?」
「いや、悪かったね。さっきぶりだねエルク君」
「衛兵さんに迷子じゃないって伝えて下さい」
「ぷふぅ。…ああわかったよ。この子は私の知り合いだから大丈夫だよ」
「本当でしたか。それは失礼しました」
衛兵さんがカッシュさんに頭を下げる。
謝る相手が違うと思う
「君は仕事をしただけだ。これからもよろしく頼むよ」
「は!」
衛兵さんは見回りに戻っていった
「エルク君何か言うことはあるかい?」
「ありがとうございました。入学式までは宿にいることにします」
僕は頭を下げる。
幸い、買いたいものは買った後だったからね。宿屋で大人しくしていよう
「冗談だよ。また何か困ったことがあったらいつでも頼ってよ」
「お願いします」
「それと服は着替えた方がいいよ。村人感がスゴイからね。まずは形から王都に慣れていこう」
なるほど、衛兵さんは僕の服をじっと見てたのか
「わかりました。そうします」
僕はギルドの一室を借りて服を着替えてから宿屋に戻ることにした。
帰る途中に別の衛兵さんに捕まったのは忘れることにしよう
詰所にさっきの衛兵さんがいたからすぐに解放されたけど……もう宿屋から本当に出ない!
宿屋に篭り続けて5日後、入学式の日になった。宿屋にカッシュさんが迎えにきており一緒に学校に行く。
あれ?おかしいな
「カッシュさん、周りがみんな大きく見えるんだけど……」
「あれ、言ってなかったっけ?エルク君は中等部に飛び級で入学だよ。入学前から飛び級が決まってるのは珍しいけど、飛び級自体はよくあることだよ」
絶対わざとだ。僕がジト目で見るとカッシュさんは焦ったように話し出す
「大丈夫だよ。去年だって初等部の入学式後に中等部に飛び級になった子がいたらしいし。それにその子は女の子だったよ」
そこまで珍しくないならいいか。諦めよう
周りの目が気になるけど、少ししたら周りも慣れるだろう
「君のクラスはAクラスだって。まずは入学式だから講堂に行こうか」
半分諦めつつカッシュさんについて行く
入学式は普通だった。偉そうなおじさんが長々と話をして、先輩と思われる人が長めの話をして、入学式後のことを聞かされて終わった。
カッシュさんとはここで別れることになった
講堂で言われた通り教室へ行く。
中にはすでに何人か人がいて、僕を見て何か話しているようだ
「やあ、君が噂の飛び級した子だね。俺はダイス。よろしく」
手を差し出されたので握り返す
「エルクだよ。村から出てきたばかりで何もわからないんだけどこれからよろしくね。ちなみに噂って何?」
「出会った魔物は全て皆殺しにする凶悪な子供が飛び級してくるって噂になってるよ」
なにそれ、怖っ!
「……多分、僕のことじゃないね」
「真意は置いといて、飛び級してる時点で実力はかなりなんだろ?授業が楽しみだな」
「あまり期待しすぎないでね」
「あ、ちなみに今年の飛び級生は君だけだよ」
噂は僕のことでした
結局、直接話しかけてきたのはダイス君だけだった
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