もう一度、おらんでほしいよぉ(>_<)

週刊現代の2021年6月12・19日号の巻末に『いま、生きていたらあの人はこう言った』の特集があった。


なので、予定していた内容を急きょ変更した。


文中によいことばがたくさんあった。


その中から、一部バッスイしてハナシをする。


『時間ですよ』シリーズ、『寺内貫太郎一家』シリーズ、『ムー』、『ムー一族』…


…などのドタバタホームコメディのプロデューサー・久世光彦(てるひこ)さん(2006年に天に召された・享年70歳)は、当時16か17歳だった女優・浅田美代子さんをおらびまくった。


1972年に『赤い風船』の歌でブレイクした浅田さんは、演技がうまく行かずに久世さんから『美代子!!違うぞ!!』とおらばれてばかりいた。


何度もダメ出されて、30回ぐらいNGを出された。


しかし、それで浅田さんはうまく演技ができるようになった。


久世さんがご健在であれば『美代子、よぉなっとるのぉ~』とおほめの言葉をかけてくださった。


伊予テレビの2021年4月期開始ドラマで、川口春奈ちゃんが主演の『着飾る恋には理由があって…』のドラマが6月22日に最終回を迎える。


1回目のサブタイトルは『背伸びしてがんばるのは誰のため?』だったと思う。


ヒロイン・真柴くるみは、最終回まで背伸びし続けると思う。


背伸びしよるくるみは、ハナ肇さんにより強烈な声でおらばれんと分からんと思う。


ハナシは、俳優のなべおさみさんのエピソードである。


なべさんは、1962年春に大学卒業と同時にクレージーキャッツのリーダー・ハナ肇さん(1993年に天に召された・63歳)の付き人となった。


なべさんは、その翌年にとんでもない失敗をやらかした。


1963年ごろだったと思う。


この年は、梓みちよさんが『こんにちは赤ちゃん』の歌で大ブレイクした。


なべさんは、梓みちよさんの歌謡ショーでなんらかの役目を任されていた。


その歌謡ショーは、テレビの公開録画番組であった。


なべさんは、テレビで目立つチャンスだと思い込んだけん背伸びしたんや。


幕が降りるまで終始目立ちまくった…


なべさんは、背伸びした状態でハナさんのもとへ来たけど、その時にハナさんがものすごい血相でなべさんをおらんだ。


『おまえなあ!!なんでしまいのしまいまで目立ちよんぞ!!今日の主役は梓みちよちゃんなのだよ!!おまえの背伸びが原因で、周りからなんと言われとんかわかっとんか!?』


ハナさんは『常に人より目立とうとすることは、卑しいことだ!!』となべさんに訓えた(おしえた)。


くるみは、そのことを全く理解してへんけん、アカンわ(大激怒)


そしたら、くるみは『あんたになに言われようとアタシはアタシよ!!』とぼくを凄んだ。


くるみは、なーんにも分かっていない(大激怒)


ハナさんは『引くべきときは一歩引き、どなたかにしっかりと華をたむけることだ。』と言う意味を込めてなべさんをおらんだ。


それは、一般社会の常識でもあるんや。


要は、『うぬぼれるな!!』と言うことや。


よおにおぼえとけ真柴くるみ(巨大激怒)


話は変わって、愛媛県にゆかりがある映画監督兼マルチタレントの伊丹十三さん(1997年に天に召された)のハナシである。


一六タルトのCMで伊予弁で語っていた伊丹さんが印象に残っている。


伊丹さんが最後にメガホンを取った映画『マルタイの女』のロケの現場で、出演者の西村まさ彦さんと顔合わせした時のエピソードである。


伊丹さんは、西村さんに『これまでの君はもういらない。』といよった。


西村さんの側からすると『もしかしたら、ぼくは必要ないのでは…』と思う。


しかし、それは全く違う。


テレビ愛媛でしよったドラマで、田村正和さんが主演の『古畑任三郎』シリーズで、古畑さんの付き人の刑事・今泉くんの印象が残っていたからである。


言い換えれば『同じ刑事役でも『古畑任三郎』シリーズとは違う!!』と言うことを訓えた(おしえた)…と言うことや。


そして最後に、歌手で俳優の渡哲也さんのエピソードを話す。


渡さんは、1960年代後半に上映された日活映画『東京流れ者』でヤクザの役を演じた。


他にも、『無頼』シリーズ・『ヤクザの墓場』シリーズでもヤクザの役を演じた。


1976年~78年まで南海放送で火曜日21時(世界仰天ニュースをしよる時間帯)からしよった『大都会』シリーズの黒岩刑事、そして1979年~1984年まで瀬戸内海放送で日曜日20時(日本こんなところにぽつんと一軒家をしよる時間帯)にしよった『西部警察』シリーズの大門刑事…で、警察組織の人間の役に変わったけど、ここでもめ事があった。


もめた原因は、台本の内容であった。


台本で(犯人に共感してかんきわまる)と言う項目が書かれていたが、渡さんはそれが気に入らんけん『オレは泣かんぞ!!』とおらんで台本をたたきつけた。


それは、渡さんがチンピラの男と正義感の強い男の両方を演じたので言えることである。


渡さんは、日々応援して下さっているみなさまに感謝の気持ちを伝えると同時に、みなさまの思いにひとつずつ応えて行こうと言う精神を持って、黒岩刑事と大門刑事を演じた。


ぼくは、『西部警察』のパートⅠでもくもくと演技をこなす渡さんをずっとみていたからよくわかる。


1982年1月17日放送の『狙撃手大門』の話で大門刑事が不在だった時があった。


事件が解決したあと、ボロボロに傷ついた大門さんが救急車に載せられた。


一緒に救急車に乗った谷さんが大門刑事に呼びかけた。


大門刑事は何も言わなかったが、谷さんに『思い通りに行かない時こそ懸命に生きろ…』と伝えたと思う。


渡さんの言葉は重みのあるメッセージだから、ぼくの県民手帳にしっかりとしるした。

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