ナイフフォークのアイコン看板は、料理店を意味します
「おはようございます。
では、面接を始めます」
「よろしくお願いします」
「ベッドの寝心地は、いかが、だったでしょうか?」
「よかったです」
「見知らぬ男と、同じ屋根の下で寝ることに、抵抗はありませんでしたか?」
「ミエルさんと、マスターさん。
付き合ってるんですよね。
なら、私に出る幕は、ありません」
「誤解釈です。
ミエルさんとは、健全なる関係です」
「『プラトニック』、と、いうことですね」
「誤解釈です。
ミエルさんとは、『恋愛』の関係にはありません」
「『これから』、ということですね。
マスターさん、最大限、応援します」
「誤解釈です。
ミエルさんは、いつか、天界に帰還されますので。
俺は、そんな、遠距離恋愛には、耐えられません」
「『天界には、帰さないぜ!』、ということですね。
天使と人間の、『禁断の愛』。
マスターさん、最大限、応援します」
「誤解釈です。
俺に、そこまでの甲斐性はありません。
また、俺は、女性の脚の曲線美と、家具のラインの曲線美を、同列で並べる人間です」
「つまり、『ドールもイケる』、ということですね」
「そろそろ、やめません。
この
「ありがとうございます。
とっても、楽しかったです」
*****
「では、面接を再開します」
「よろしくお願いします」
「住み込みで働いてもらえませんか?
絶対に、あなたに、手は、出しませんので」
「ドールフェチ、ですからね」
「もう、それでいいです。
ここから、もう、一気に説明するので。
数日掛けて、徐々に理解していってください」
説明開始です:
・俺の転生特典は『移動可能な喫茶店』
・現在は、ジェルソンという村の近くにいるが
・ミエルさんの転送魔法で、別大陸に移動して
・その大陸のガンダルという街、そこから1.5日の街道沿いに出店する
・なので、街で宿を借りて、そこから通う、ということはできない
・現在、俺は転生92日目
・喫茶店の経営も軌道に乗ってきて、人材が足りない
・この世界は、まったく平和ではなく、どこで魔物や盗賊に襲われるかわからない
・異世界に慣れるまでは、喫茶店の中にいた方がいいと思う
・この喫茶店には、防御機能がある
・また、奥にある白色のコンテナはシェルターで、さらに強固な防御機能がある
・以上です
・たくましく生きてください
・俺の名前は『タドル』です
ヒヨリちゃんは、
口が常に半開きになっていて。
若干、ヨダレが垂れていた。
正直、どこまで理解したのか、判断、難しかった。
「一方的に話しましたが、ここから質問再開です。
あなたの転生特典を教えてください」
「『食べ物が2倍美味しく感じる能力』です」
「どうやって戦うんですか?」
「戦いません。
食べます!」
「普通なら、『あんた何言ってんの?』、ってツッコミを入れるはずです。
天界の天使さんから、『この異世界は、常に危険が
しかし。
俺も人のこと言えないので。
強くツッコめません」
「料理店でバイトして、生きていく予定でした。
で、転生しました。
そしたら、目の前に料理店がありました。
なんとか、なりました」
「運の高さが最大の武器、というわけですね。
さて、ここで、次の質問です。
料理店で働く予定、ということは。
あなたには、それなりの料理スキルがある、ということですか?」
「あります!
プロ、ではありませんが。
この点、その真偽は。
是非、実技テストにて、判断してください!」
*****
「おまたせいたしました。
『オムライス』です」
「はい、採用決定!」
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