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が、ここでブリュンははっとします。2人の兵が姫の身体に向かって駆けてきたのです。装備からしてグラニ帝国軍の兵のようです。
「あ~あ、残念。とどめはあいつらの方が先みたいね」
バルコニーの上、姫に向かって駆けてきた2人の兵。
「なんだ、なんだ? なんでこんなところにガキが落ちてきたんだ!?」
兵の1人は姫の身体を観察します。
「魔女のような出で立ち。左手がない・・・ こいつ、ノルン王国の女王だぞ!」
「ええ、じゃ、こいつを殺せば、オレたちの出世は・・・」
「ああ、間違いなしだぜ!」
一方姫の身体はピクリとも動きません。悔しいのか、悲しいのか、涙を流してます。
「私、こんなところで死ぬの? 嫌だよ、絶対嫌!・・・
準一、私を助けて・・・」
2人は持ってた槍を振り上げました。
「悪いな、オレたちの出世の
姫、絶体絶命のピンチ! が・・・
「出でよ、火災旋風!」
突然の掛け声。2人の兵はあっという間に炎に包まれました。悲鳴をあげる2人の兵。
「うぎゃーっ!」
「あちーっ! た、助けてくれーっ!」
2人の身体は崩れ落ちました。ブリュンはびっくり。
「ええ?」
姫は眼を開け、燃えている2人の兵(の死体)を見ました。
「な、何が起きてんの?・・・」
姫はふと側に人影が立ってることに気づきました。その顔を見てびっくり。
「あ、あなた・・・」
宙に浮いてるブリュンもこの人影に気づきました。
「ええ、あいつ、死んだんじゃなかったの?・・・」
バルコニーに立った人物。それは準一でした。準一は生きてたのです!
準一は空中のブリュンをにらみました。びびるブリュン。
「うう?・・・」
準一は持っていた
「出でよ、火災旋風!」
すると火災旋風が発生。それがブリュンが乗るマシーンに向かいます。
「くっ・・・」
ブリュンはマシーンを急発進。火災旋風をぎりぎり避けます。
「くそーっ、覚えてなさい!」
ブリュンが駆るマシーンは、そのまま飛び去ってしまいました。
準一は姫を見ました。姫の身体は女王とは思えないほど、ボロボロです。
「な、なんてことを・・・」
姫は準一を見て、
「準一、生きてたの?・・・」
「ああ、やっと背中に入れた
準一は姫の身体の前で片ひざをつき、
「ああ、姫、かわいそうに。こんなになるまで戦ったなんて・・・ 今治してあげるよ」
準一は姫の上半身を抱き起こし、突然のキス。姫はその行為にびっくり。けど、すぐに安心した顔になりました。唇を通じて準一の身体からものすごい勢いでマナの力が入り込んできたのです。姫の右手のけがも、腰の骨折もすごい勢いで治っていきます。
姫はふと思い出しました。初めて準一に会った日のことを。あのときの姫は、ヘリコプターに乗ったスナイパーに左腕を撃ち落とされた直後でした。左腕の傷口は自らの
そんなとき準一と出会い、その時点で準一が持っていたマナの力をすべてもらいました。いや、奪い取ったと言った方が正確か? それでノルン王国に帰ることができたのです。
今はあのときと同じ。いや、あのときは姫の方からキスをしましたが、今は準一の方からキスをしてます。
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