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近衛兵の1人が銃を構えたまま状況報告。
「敵はいません」
すると再び扉が開き、残りの一同が大広間に入ってきました。侍従長は大広間の反対側にある扉を見ました。この扉も観音開きでした。
「あの扉まで行こう!」
一同は身を低くして小走りに進みます。そして扉に到達。先頭の近衛兵が扉のノブに手をかけます。
宮殿の廊下。扉がすーっと開きました。ワンテンポおいてその扉を開けた近衛兵が1人さっと出て行きました。すると・・・
「いたぞーっ!」
突然の怒号。大広間の中の一同がはっとします。
廊下に出た近衛兵が怒号のした方に小銃を向けます。が、それより先に廊下にいた数人のデモ隊の生き残りが小銃を乱射。
「うぐぁーっ!」
近衛兵はあっという間に蜂の巣になってしまいました。大広間からそれを見た姫は唖然。
「ああ・・・」
他の近衛兵によって扉は閉じられました。焦る姫。
「なんで閉めちゃうのよ!? まだあの人が!・・・」
侍女の1人。
「姫、あの兵はもうムリです!」
同じ面の別の2つの扉が開き、小銃を構えたデモ隊数人が姿を現しました。
「女王、覚悟ーっ!」
が、これは近衛兵たちが読んでました。近衛兵とお側ご用人の2人が小銃を乱射。
「甘い!」
小銃を乱射する侍従。
「くそーっ、こんなところで死んでたまるかよーっ!」
デモ隊はあっという間にすべて射殺されてしまいました。
侍従長はその扉とは反対方向を向いて、
「こっちじゃ!」
が、その壁の扉も2つバタンと開き、3人の間者の生き残りが現れました。全員小銃を構えてます。驚く一同。
「あ!」
間者が一斉に小銃を連射。今回は完全に不意を突かれました。姫、ピンチ! 侍従長の怒号が飛びます。
「皆の者、姫をお守りするのじゃーっ!」
近衛兵、お側ご用人の侍女が姫の前に盾のように立って小銃を連射。侍従は一瞬何がなんだかわからなくなりましたが、前を行く侍女を見て、慌てて前に行きます。
「くっそー!」
近衛兵たちは銃弾を浴び、次々と倒れて行きます。唖然とする姫。
「ああ・・・ し、死なないでって約束したのに・・・」
必死に小銃を乱射するお側ご用人の侍従。思わず叫び声を上げます。
「こんなところで死んでたまるかーっ!」
その侍従の腹のど真ん中に銃弾が着弾。身体がくの字に折れ曲がります。
「うぐっ!?・・・」
薄れ行く意識の中、侍従は思いました。
「オ、オレ、こんなところで死んじまうのかよ・・・」
次の瞬間、今度は額のど真ん中に銃弾が着弾。侍従の身体が後ろに吹き飛ばされます。
「うぎゃーっ!」
侍女は小銃を撃ちながら、横目で吹き飛んでいく侍従を見ます。と、その瞬間侍女は脇腹に鋭い痛みを感じました。
「うっ!?」
侍従の身体が姫の足元に転がりました。侍従は白目を剥いてます。姫はまたもや愕然。
「ああ・・・」
そして大声で叫びます。
「もう嫌! なんでみんな死んじゃうのよーっ!?」
お側ご用人の侍女がその姫の右二の腕を掴みます。
「姫、こちらへ!」
姫は侍女に無理やり引きずられます。その前には扉を開けてる侍従長が。
「こっちじゃ!」
一方間者のリーダー格は、廊下の壁を背に佇んでました。小銃の
「ち、一番肝心なときに
間者は無造作にその小銃を投げ捨てました。
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