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さらに陽が傾いてきました。もう夕暮れです。
ここは空中要塞の真下。たくさんのノルン王国軍の兵士が要塞を見上げてます。さらに今1つの中隊規模の兵が守備につきました。すでに1万人以上の兵が守備についてます。
これだけの兵がいるとさすがに小銃の数が足りないようです。小銃を持ってる兵は2割くらいか? 小銃を持ってる兵も持ってない兵も、上空の要塞を厳しい眼でにらんでました。
ここは港湾。今港湾から1つの大型の船が出港して行きました。この港にはもう大きな船はありません。ちなみに、今出て行った船ですが、大陸の船大工が姫のために造った軍艦の1つです。まだ武器は装備してません。
この船の出向を岸壁で見ている3人の男性。
「あ~あ、最後の船がいっちまったか・・・」
「陸路で逃げるにしても、あんなに大渋滞してちゃぁなぁ・・・」
「ま、手提げカバン1個だけ持って逃げるんなら、問題ないけどな」
3人はとぼとぼと歩き始めました。3人の会話は続きます。
「しかし、あの船、どこに行く気なんだ? 大陸はすでにグラニ帝国に占領されてるし、ウルズ王国やスクルド王国に逃げるわけにはいかないし・・・」
「はるか西にあるとされてる大陸に行くんじゃ?」
「あはは、まさかあ。あんなところに行ったら、途中何人餓死者を出すことか・・・」
と、ここで3人はふと何かに気づき、立ち止まりました。小川に沿って並んだ無数の屋台。その数軒が店を開けてるのです。3人ともそれを見て笑顔になりました。
「おおー、屋台が開いてるじゃねーか!」
3人はそのうちの1軒に入りました。
「よう
店主が応えます。
「へい、いらっしゃい!」
さっそく注文です。
「酒をくれ!」
「へい!」
1人の男性が店主に質問。
「
「いや~ この屋台を曳いて逃げたいところなんですがねぇ、道が大渋滞でしょ。このまま朝まで様子見ですよ」
男性の1人が出された酒をぐいっと呑み、
「屋台を置いて逃げるって選択肢はないんですか?」
店主は苦笑い。
「あはは、この店は私の唯一の財産。そんなに簡単には棄てられませんよ」
男性の1人が、
「そっか・・・」
店主は話を続けます。
「でも、命あってのなんとやら。日の出まで好転しないようだったら、屋台を棄てて逃げようと思います」
「う~ん・・・」
3人の男性はしんみりとしてしまいました。と、3人の男性は背中に変な圧迫感を感じました。
「ん?」
3人が振り向くと、険悪そうな一団が。50人くらいか。3割くらいの者は刀剣か弓矢などの武器を所持しており、何人かはプラカードを持ってます。3人の男性がそのプラカードを読むと、
「女王は出てけ!」
「女王の首を奪うぞ!」
「偉大なるグラニ帝国に降伏しよう!」
さらにシュプレキコール。それは姫を中傷するものでした。これを見て、聞いて、3人はびっくり。そして激怒。
「な、なんだよ、こりゃあ!?」
3人は慌ててこの集団に向かいます。
「おい、お前ら!」
集団の先頭にいた女がそれに気づき、3人を見ました。この女、頭にほっかぶり、衣装は貧民て感じですが、実はブリュン。ブリュンは3人に話しかけます。
「おや、あなたたちも私たちの意見に賛同してくれるんですか?」
当然3人は激怒。
「バカ言うな!」
「なんなんだよ、お前ら!」
「オレたちゃ、女王様の臣民だろ!」
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