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 先ほどのノルン王国軍の兵たちが自衛隊の小銃を連射。次々とグラニ帝国軍兵士を倒していきます。それを物陰から見ているグラニ帝国の兵たち。全員弓矢を持ってます。その中のリーダー格の兵。

「けっ、あんな飛び道具、真後ろから襲えばイチコロだろ」

 弓矢を持った敵兵一団は身を低くし、ノルン王国兵士たちの背後に回り込みます。

「ここだ!」

 敵兵たちは一斉に矢をつがえ、物陰から飛び出しました。

「死ねーっ!」

 次の瞬間、敵兵の背後からたくさんの銃弾が飛んできて、敵兵はあっという間に倒されてしまいました。敵兵を倒したのは別のノルン王国の兵数人。たった今駆けつけてきたようです。全員自衛隊の小銃を構えてます。

 その中の1人がサムズアップ。助けられた兵たちも全員サムズアップで応えました。


 ノルン王国の兵たちがさらに駆けつけてきました。全員自衛隊の小銃で武装してます。グラニ帝国軍の兵はノルン王国軍の兵の10倍以上はいますが、武器が違い過ぎます。敵兵たちは空中要塞に一目散に逃げ始めました。

「に、逃げろーっ!」

「撤収ーっ!」

 この逃走するグラニ帝国軍兵士の姿が、空中要塞のモニターに映し出されました。これを見てナルヴィは激怒。

「なんで逃げる!? どう見てもこっちの方が上だろ、兵の数は!」

 それにブリュンが苦笑して応えます。

「皇子様、たとえ1対100でも突撃銃アサルトライフルを持ってる者には勝てませんよ」

「そんなバカなことがあるか!」

 一目散に逃げてくるかなりの数のグラニ帝国軍兵士たち。ナルヴィはそれをモニターで見て、さらに怒り心頭。

「なんなんだよ、こいつら!? どいつもこいつも腑抜けやがって!」

 その兵たちが一斉にもんどりうって倒れました。不思議がるナルヴィ。

「な、何が起きた?」

 その背後から3人のノルン王国軍兵士が現れました。3人とも自衛隊の小銃を構えてます。

 それを見たナルヴィの顔は、一瞬で血の気が引きました。

「たった3人? たった3人にやられたのか? ほんの一瞬だったぞ?」

 ブリュンが応えます。

「それが突撃銃アサルトライフルですよ。これでわかりましたか?」

 ほぞを噛むナルヴィ。

「うぐぐ~・・・」

 3人のノルン王国兵士の1人がこちらモニターに向け、小銃を発射。そのモニターが一瞬で真っ青になりました。ナルヴィはびっくり。

「こ、今度はなんだ? 何が起きたんだ?」

 技術者が応えます。

「どうやらカメラを撃たれたようですね」

 ナルヴィは唖然。

「あ、あんな遠くから? 宮殿ではなんともなかったろ?・・・」

 ブリュンが応えます。

「あの時はこの要塞が高いところにいたから、銃弾が届かなかっただけですよ。この距離なら十分届きますよ」

 ブリュンの顔が焦りに変わりました。

「うぐぐ・・・」

 別のモニターを見ると、すぐ側までノルン王国の兵たちが迫ってました。もちろん小銃を構えてます。

「ちっ、やつら、もうそこまで来てるじゃないか! あんなのが1人でもこの要塞に入ったら・・・」

 ナルヴィはコンソールの前に座ってる兵に命令。

「大至急浮上しろ!」

 コンソールの前に座ってた兵たちはびっくり。

「ええ?」

「早く浮上しろと言ってんだよ!」

「し、しかし、まだ帰って来てない兵がたくさん・・・」

「ほっとけ! やつら、みんな奴隷だろ! 今すぐ浮上するんだ!」

「わ、わかりました!」

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