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娼館の前、娼婦と姫の会話が続いてます。娼婦。
「先々代の女王様は立派な人ですよ。あの人がいたからこそ、私たちは安心して仕事ができるのです」
「ふふ、そうね」
姫は振り返り、
「ありがと、じゃ!」
姫は駆け出しました。黒服の男性は娼婦に、
「あ、あの人、本当に女王様なんですか?」
「ええ。あの人がいなかったらこの国は、今頃間違いなくグラニ帝国軍かウルズ王国軍かスクルド王国軍に占領されてたわよ。感謝しないと」
黒服の男は感心しきり。
「へ~・・・」
ここは4畳半くらいの狭い部屋。窓はありますがシェードがかかってて、それほど明るくありません。中央にはベッドのような台があり、そこに半身裸の準一がうつ伏せで寝かされてます。15歳くらいの少女がその背中にタトゥー用の針を刺します。針を刺した瞬間、準一の身体は激しく反応。
「うぐぅ!」
施術中の少女の横にいた別の少女が、
「お客さん、大丈夫ですか?」
準一は作り笑いで応えます。
「あは、大丈夫ですよ」
けど、準一は顔面蒼白です。ちなみに、今発言した少女は12歳くらい。助手のようです。
今度は施術中の女の子が準一に話しかけました。
「こんなに痛がるお客さんは初めてですよ。大丈夫ですか?」
準一は頭を掻きながら、ただひたすら苦笑い。
「いや、その・・・ あははは・・・」
次の瞬間、スチャッという音。出入り口にかかってるカーテンがいきなり引かれた音です。さらに、
「な、何やってんのよ、準一?」
の声。彫師が振り返り、
「誰、あなた? 今仕事中なんだけど!」
幼い助手が震えてます。
「じょ、女王様?・・・」
彫師はその言葉を信じてないようです。
「はぁ? こんなところに女王様が来るはずないじゃん。何考えてんのよ、あなた?」
「いや、その人は本当に姫・・・ 女王様ですよ」
それは準一の声。それを聞いて彫師は、今度はいくらか信じたようです。
「ええ~?・・・」
姫は準一の顔の側に来て、質問しました。
「刺青入れてんの?」
「あは、
「何それ?」
準一は助手を見て、
「すみません。女王様に
「あ、はい」
助手は紙片を姫に見せました。
「これです」
姫はその紙片を受け取り、そこに描かれた魔法円を見ました。
「なんなの、この魔法円?」
準一。
「図書館で見つけたものだよ。勝手に持ってきてごめん」
「これって何か効果あるの?」
「さあ?・・・」
「どんな効果があるのかわからないのに、刺青を入れるの?」
準一は苦笑。
「あははは・・・」
「呆れた・・・」
姫は今度は彫師を見て、
「この魔法円て、なんの効果があるの?」
「さあ、私にもわかりません。ただ、私たちの世界ではこんな言い伝えがあります。ある魔法円を身体に刻んでおけば、たとえ死んでも1度だけ
でも、その魔法円はある程度のマナの力がないと効果を発揮しないと言われてますが・・・」
マナの力、この国でそれを持ってるのはその時の国王、つまり姫のみ。ただ、異世界から来た準一も持ってます。準一なら
姫は横目で準一の背中の刺青を見ました。刺青は背中全体に彫られてるて感じ。もう1/3は彫られてます。ここまで進捗してたら、止めちゃダメだよね?・・・
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