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 侍女が少し笑いながら、

「ただ、姫様は私たちのセックスを見ながらオナニーをしてました。その~・・・ 毎回毎回指を2本入れてたから、初夜はきっとスムーズに挿入できますよ」

 準一はもう笑うしかありません。

「あはは・・・」

「さあ、行きましょうか!」

 その侍従の一言で4人は再び歩き始めました。が、そのゴールは数歩先でした。大広間に通じる観音開きのドアとほぼ同等なドア。侍女はそのドアのノブに手をかけ、

「ここです」


 室内。観音開きのドアが開きました。向こう側からドアを開けたのは侍女と侍従。室内は10畳くらいか? 中央には天蓋付きベッドがあります。部屋に入った娼婦はあたりをキョロキョロ。

「こりゃまたずいぶん立派な部屋ねぇ~ さすが宮殿」

 娼婦はひじを組んでる準一を見て、

「では、まずはお風呂を借りましょうか?」

 すると侍女は奥にあるドアを見て、

「お風呂ならここにありますよ」


 タイル張りの浴室。こちらもかなりの面積があります。浴槽はすでにお湯で満たされてます。娼婦はドアを開け浴室を確認中。

「あら、お風呂までついてるなんて・・・」

 準一も浴室を見てびっくりしてます。ちなみに、この時代浴室までついてる部屋は稀有ですが、準一の時代のラブホテルには、1部屋1部屋浴室がついてるのが当たり前。悲しいかな、準一は童貞。そんなことも知らないようです。

 と、娼婦は準一にいきなりキス。かなりディープなキスです。準一はびっくり。

 娼婦は唇を離し、

「準一さん、いろいろと教えてあげますよ。姫様はクンニをご所望のようですから、まずは私の大事なところを舐めてもらいましょうか?」

 準一は顔が真っ赤。

「あはは・・・」

 侍女と侍従は観音開きのドアを開け、準一と娼婦を見て、

「それでは十分お楽しみください」

 バタン。ドアが閉まりました。


 廊下を並んで歩く侍女と侍従。侍従が口を開きます。

「ああ、あと80日で姫様はあの男と結婚か・・・」

 侍女はそれに応えるように、

「私たちもあと80日でお役御免ね」

「お役御免になったらどうするんですか?」

「私は娼婦に戻るわよ」

 すると侍従はちょっとかしこまり、

「あ、あの・・・ 結婚しません?」

 急に言われたもので、侍女はびっくり。

「ええ?」

 侍従ははにかみながら、

「自分、もうお金をたくさん稼いだから、男娼やめて、事業を始めようと思ってるんですよ。そうなると身を固めた方がいいかなって思って・・・」

 侍女はちょっと考え、侍従に質問。

「あなた、南の街道沿いの宿場町出身だったわね」

「ええ」

「あのへんはたくさんの人が通るから、にぎやかなんでしょうねぇ?」

「ええ、まあ」

「私は北の方にあるヘルヘイムという村の出身です」

 侍従は一瞬頭を巡らませ、それから口を開きました。

「ごめんなさい、自分の知らない村みたいです、あはは・・・」

「当たり前よ。街道からはずれた内陸の村なんだから・・・

 その村は農民ばかりの村なんだけど、近くに火山があるせいか、土地が火山灰でやせ細っていて、できる作物はわずか。みんな苦労してるの。私は娼館でも造れば少しはにぎわうんじゃないかと思ってたんだけど、だれも耳を貸してくれなかった。

 そんなことを考えてるうち、私も娼婦になっていた・・・」

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