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 準一は質問します。

「なんで元娼婦のあなたが姫様のお側ご用人をやってるんですか?」

 すると侍女に加え、侍従も苦笑いを始めました。ん、訊いちゃいけないことを訊いちゃったかな? 準一はちょっと焦りました。けど、侍女は応えてくれるようです。

「あは、姫様からなーんにも聞いてないんですね。

 姫様は今から約1年前に王になりました。その時点で王室ファミリーは姫様だけになってました。姫様には一刻も早く世継ぎを生んでもらわないと困る。それが王宮で働く人たちの総意でした。

 そこで男と女がどのような行為をすれば子どもができるのか、姫様に教えることになったのです」

「性教育っていうやつですか?」

「そうですね。けど、姫様はセックスにはまったく興味がなかった、いや、逆に嫌悪感を示したそうです。セックスの話になると、かならず箒に乗って逃げ出していたそうですよ。

 側近たちはそのうち姫様もセックスに興味を示すだろうと考えてましたが、姫様はまったく興味を示さず、いたずらに時間は流れるばかり。そこで娼婦と男娼を雇って、姫様の前でセックスさせることにしたのです」

 ええ、てことは・・・ 準一は侍従を見て、

「じゃ、あなたは?・・・」

 侍従をニコッとして応えます。

「はい。男娼です、元」

 今度は準一と手をつないでる娼婦が、

「その人はすごい男娼ひとなんですよ。彼を買ってセックスした女性ひとは、必ず失神する。1回だけじゃないわ。2回も3回も。3分おきに失神する女性ひともいたらしいわね。ついた二つ名はマダムキラー」

 準一はびっくり。横目で侍従を見ました。ただの優男やさおとこにしか見えないのですが・・・

 侍女も驚きの発言。

「私も何回も失神させられましたよ」

 あまりにもすごい展開に準一は口をあんぐりするばかり。でも、今の発言からすると、この2人、いつもセックスしてる? 毎晩毎晩姫の眼の前で?

 侍女が言葉を続けます。

「この宮殿に入った日、私はお側ご用人として姫様と2人でお風呂に入りました。そこで姫様の眼の前でオナニーをして見せたのです。姫様は嫌がるんじゃないかと思いましたが、意外と興味を持ってくれました。

 そこで私は姫様にオナニーの仕方を教えてあげて、2人でオナニーの見せっこをしたんです。1時間もしないうちに姫様は、オナニーのとりこになりましたね」

 すごいきわどい発言。準一は口をぽーかんと開けたまま。心臓はまたもやバクバクと脈を打ち始めました。

 侍女は横にいる侍従を見て、

「次の日には、彼も浴室に入りました。3人でトライアングルになってオナニーしたんです。彼が射精すると、姫様はとても興味をもちましたね。

 そして彼と私でセックスしました。それを見せたら姫様は、セックスに興味を持ってくれました。文字通りの大成功(性交)でした!」

 この瞬間、準一はすべてのことがわかりました。姫は12歳なのになんでセックスに詳しいのか? なんでたやすく発情してしまうのか? すべて眼の前にいる2人が教えたのです。

 そう言えば姫は、初めてセックスするとき、自分のつながった部分を撮影して国民みんなに見せたいと言ってたっけ。毎日毎日この2人のセックスを見学してたら、そんな発想になって当然です。

 と、準一はまたもや疑問が浮かび上がりました。で、さらなる質問。

「じゃ、姫はもう処女じゃない?」

 すると侍女が笑いながら、

「あは、それは大丈夫ですよ」

 侍従が続けて、

「自分たちは姫様の身体には絶対触れてはいけないというルールを宮殿と取り交わしてます。安心してください、姫様は処女ですよ」

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