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準一は姫の12歳とは思えない発言の連発に、胸の鼓動がバクバクしてきました。しかし、姫はいったいどこでこんな知識を身に着けてきたんでしょうねぇ?・・・
お側ご用人の2人は再び観音開きの扉を開けました。準一は娼婦にエスコートされ、部屋を出ていきました。
2人が出ていくと、姫の顔色が急に変わりました。なんか淋しそう。彼が娼婦とセックスする。これはある意味浮気行為。そんな浮気を自分自身で舞台設定したのです。残念と思って当然。
けど、今姫に求められてるものは妊娠、出産。その下準備のためにはどうしても必要な行為。ここは我慢しないといけません。
宮殿内の廊下を歩くお側ご用人の2人。その背後には、娼婦にエスコートされた準一が。
準一の頭の中は、わくわくドキドキ。オレ、これからこの
けど、準一の頭の中にはもう1つの思いがありました。先ほど浮かんだ疑問を解決したくって解決したくって、しょうがないのです。思い切って質問してみることにしました。
「あ、あの~・・・」
お側ご用人の2人は驚いて歩を止め、振り向きました。
「ん、何か?」
「あ、あのですねぇ・・・」
一度は質問してみようと思った準一ですが、いざ質問してみようと思ったら、その瞬間、躊躇してしまったようです。
「あなたは昔娼婦だったんですか?」
なんて質問、しづらいですよね。けど、2人のお側ご用人は身構えてます。こ、これはマズい・・・ 準一はとっさに浮かんだ別の疑問をぶつけてみることにしました。
「あ、あの~ 姫が髪の毛にハサミを入れたとき、ものすごく恨めしそうな眼で姫を見てましたよね。なんであんな眼を?」
侍女は応えます。
「あ、あれね・・・
私、昔娼婦をやってたとき・・・」
その瞬間、準一はびっくり。この
侍女のセリフをあらためて書きましょう。
「私、昔娼婦をやってたとき、髪の毛を腰のあたりまで伸ばしてたんですよ。とても艶やかな髪で、お客さんには大評判でした。なのに宮殿に入るとき、強制的に今の髪型に変えらてしまったんです」
準一はさらに疑問が浮かんだようです。追って侍女に質問。
「え、なんで?」
「王室の女性は生きてる限り髪の毛を伸ばし続けないといけません」
「ああ、侍従長さんが言ってた・・・」
「王室の人と一目で区別がつくように、宮殿で働く女性は、髪の毛を短くしないといけないのですよ。
私は自薦でここに来たのですが、いきなり髪を短くしろと命令されたんですよ。髪は私の命のようなものです。一度は断ろうと思ったんですけどね。まあ、いろいろと事情があって、泣く泣く髪の毛を切ることにしたんです。
それなのに姫様ったら、私の眼の前で自分で髪の毛を切ってしまったんですよ。それで私、気分が悪くなったんですよ」
準一は思いました。そういや、宮殿の中で働いてる女性は、みんなショートカットだったっけ。
しかし、またもや新たなる疑問が発生してしまいました。なんで元娼婦が姫の最側近をやってるんだ?
こんな質問、通常じゃできるものではないのですが、準一は話の流れでしてみることにしました。
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