18
「吹き飛びやがれーっ!」
と叫ぶと、準一は剣を袈裟に振りました。すると旋風が発生。その旋風がコマンダーの巨大な身体を包み込みます。
「うう?・・・」
コマンダーの身体が2mほど浮かび上がりました。思わず悲鳴をあげるコマンダー。
「うわーっ!・・・」
それを見て感心する侍従長。
「ほーっ!」
ドシーン! コマンダーの身体は尻から床に落ちました。
「いたーっ!」
準一の顔が笑顔になりました。硬っ苦しい笑顔ですが。
「あは、あはははは・・・」
侍従長は軽く拍手。姫は半身立ち上がったコマンダーに、
「どう?」
コマンダーは苦笑い。
「あははは。今日のところは認めないといけませんね」
準一は姫に小声で、
「あの人が将軍なの?」
姫はそばにいる兵の1人を見て、
「あは、将軍はあの人よ」
「ええ・・・」
たしかにその兵は他の兵とは違う立派な甲冑を装備してます。が、将軍て雰囲気を醸し出してません。この人が将軍て・・・ 準一は苦笑しました。
と、ここで侍従長ははっと何かを思い出しました。
「あ、そうじゃ!」
侍従長は先ほど剣を持ってきた兵を見て、
「おい!」
「はい!」
兵は身を低くして宝石入れのような小さなケースを姫に差し出しました。
「姫」
姫はそのケースを受け取りました。そのケースをまじまじと見る姫。
「何、これ?」
侍従長。
「中を開けてご覧ください」
姫はケースを開けました。中には碧い宝石がついたブローチが。侍従長の説明。
「それは3代前の王がいつも身につけていたブローチです」
「ええ? ってことは・・・」
「はい。防御魔法が使える者がそのブローチを持てば、その防御能力が何倍にも、何十倍にもなると言われてる魔法のアイテムです。長い間行方不明になってましたが、
姫は眼をキラキラさせてそのブローチを見てます。侍従長の説明が続いてます。
「このブローチがあれば、防御魔法を著しく高めることができますぞ!」
姫は左手の袖を見ました。左手はなくなってます。袖のみ。
「これがあれば、もう腕を落とすことはないか、な?・・・
あは、自分の左手のことを考えてたら、なんか急に疲れてきちゃった」
姫は準一を見て、
「ねぇ、準一。添い寝してよ」
それを聞いて準一はびっくり。
「ええ?・・・」
コマンダーも、その他の兵もびっくり。侍従長はお冠。
「姫、いったい何を考えてるんですか!?」
「私、準一からたくさんのマナの力をもらった。それで蘇ることができた。今私、とっても疲れてんの。また準一からマナの力をもらわないと。それには添い寝が一番でしょ」
「男女が同じ布団に入るって、どういう意味だかわかってますよねぇ、姫!? 男はみんな本能がありますぞ!」
侍従長は準一を指差して、
「この男はベッドの中で本性を剥き出しにしますぞ、間違いなしに!」
いきなり指をさされ、罵詈雑言を言われた準一はびっくり。
「ええ~?・・・」
けど、姫は平然とした顔で、
「いいじゃん、本性を剥き出しにしたって。私、もう12よ。そろそろ初体験ていうものを味わってみたいわ」
じゅ、12歳で初体験? それは準一のいる世界ではあまりにも早すぎる初体験。準一の脳みそは理解不能になり、眼がくるくる廻り始めました。
侍従長の怒りは続きます。
「なりません! 姫はこの国の代表ですぞ、姫の
姫は不満顔。
「ええ~・・・」
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