第42話◆投資 #02

「儲かりますよ」と言う言葉には、主語が無い。

「〈私〉が儲かります」であって、「〈あなた〉が儲かります」とは言っていないのかもしれない。


【金は天下の回り物】と言う、自分がお金を払う→相手のお金が増える。誰かが儲かる→誰かが損をする、という仕組みが存在するのだから、わざわざ自分の持ち分を減らす事はしない。

本当に儲かるんだったら、利害関係がある場合以外は、儲かる「それ」を教えたりはしないだろう。例えば、発見した宝をわざわざ分配しようとは言わないもの、普通は独占する。

金融関係のセールストークの裏では「あなたが株を買ってくれれば、儲かろうが損しようが関係無い。私は手数料が入るから安泰だ」と思っているのかもしれない。


ダイレクトメールに「年収1億円の秘密はここにある」と記載されていたら、中に書いてある訳では無く、そのダイレクトメールを送り付ける手法そのものを指しているのかもしれない。

その「秘密」を知る為に、日本の株式会社が会費1万円を払ったとしたら、22,439,020,000円。あっと言う間に200億円集まっちゃう。

果たして、ダイレクトメールの中身とは…有料のセミナーや冊子のチラシで、会費分の価値も無い紙だけれど、情報を提供していると言えば価値観は人それぞれ。テレビの受信料を払うか、新聞を購読するか、インターネット通信料にお金を払うか、人それぞれと同じ。


景気と言うものは、世の中にお金が流通してこそ健全である。お金に余裕がある人達が出せば良い。投資は? よく分からない事に手を出さないに限る。


でも、有望な仕事や好きな物に対して応援したいと思ったら、クラウドファンディングでも何でも投資すれば良い。スパチャ(投げ銭)で5,000円出しても、画面の向こうの相手には700円しか払われないのだそうだ。


そう、衣食住の次に来るのは【知識】。甘言に騙されてはいけないし、計算できなきゃ正しいかどうかも判断できない、投資するならまずは勉強だ。銀行や証券会社の担当に任せていただけでは、減りはしなくても増えもしない、たくさん増えるのならとっくに担当者が買っている。他の人に勧めたら、更に株価が上がり、ピークで手離し、売り逃げるのではないだろうか?


結局、外貨建て保険に加入させられた親の目が覚めたのは、知人の「元本戻って来ないよ」という言葉。保険外交員が上司を連れて来たのは、いつもと違う状況下に置き、動揺させたかったのかもしれない。

投資しようと思ったら、自分で調べて銘柄を決めてから行き、担当者の言葉に惑わされそうになったら、いったん持ち帰り、助言が受けられるなら第三者に相談し、冷静に判断する必要がある。

大事なお金だ。もっと大切な物があれば良いんだけどね…男運が無いので(汗)

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