第41話◆投資 #01

ある会社で見掛けた事がある。

某社の株を2,000万円持っていたが、ある日突然半分に下がってしまった、つまり1,000万円になった方がいた。そこで手離せば良かったが、結局1週間ほどで某社は倒産し、0円となってしまった。その時の社会状況を考えれば、判断がついたと思うのだけれど…決断する強い心が必要である。


真面目にコツコツと働いている会社員が、バブル崩壊やリーマンショックなどの世界に影響を及ぼすマネーゲームで不況となり、会社が倒産。無職となり、家族が露頭に迷う。見知らぬ他人に人生を左右されるなんて悲劇だと思う、そんな人の人生をもてあそぶような手段で資産形成したいとは私は思わない。


知人は20歳代から株取引をしていて、パソコンはできないけれど、毎日「1」と「0」を打っていると言っていた。ネットに大株主として彼の名前が掲載されていた。


老後の為に退職金を元にして、資産運用をすると言っていた人がいたが、銀行が元本保証をしていても、儲けが無ければ、手数料を取られて損をするのではないだろうか?


損するかもしれない不確かな物に自分が働いて得たお金をつぎ込みたいとは思わない。投資について勉強するにはハードルが高いし、なにより興味が無い。地道に貯金する方がしょうに合っている。


ネットの節約貯金記事を読んでいると、文末にNISAとiDecoを勧める文章が出てくる。結局は、ライターがファイナンシャルプランナーだったりするからだろうけれど、どうも国が少子高齢化でこの先、社会保障費の増大が予測され、自前で老後を何とかしてくださいよ、2,000万円が目安だよと言っているように感じる。そして、あわよくば徴税。

投資者がいるだけで、金融会社に仲介料が入り、税収。資金を集めた会社の事業が好調であれば、税収。投資者に配当金や売却益があれば、税金というマージンが入る、それも弱体化した日本国内だけではなく、躍進する海外の企業分も見込めるのだ。例え、いくらまで税金がかかりませんと言っても、取引が好調だったら、どんどん投資するだろう。欲という見えないモノには限界が無い、セーブするかどうか自分で決めるだけだ。


知識があれば良いけれど、リスクにも対応する余裕が無い者には向かないと思う。投資した分が戻って来るとは限らない、いわばギャンブル。

私は数字の上がり下がりに振り回されるのは苦手なので手を出さない。金利の低い普通預金よりも定期預金やネットのより良いところへ移動と言うけれど、状況は時代と共に変わるし、利息はたかが知れている。私は地道に生きるわ。


こういう金融資産を持つと、株価の高低をずっと注視していなければならなくなり、毎日落ち着かない。上記の会社は新聞を広げて見ている人達が多数いた。そんな事で悩む位なら、大好きな読書に頭を使いたい。

実は、株を買った経験がある。利益が出た時点ですぐ解約してしまった。証券会社の窓口で笑われたけれど、小心者には向かない取引である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る