第130話 玄武と萌黄色のしずく

「チリンチリンチリン…」

「いでよ、伝説の猛者もさ!」

ガラスのすずの音色に導かれて、神秘の平原のぬまからげんが現れた。

「玄武は、北の星宿の神格化である。玄天げんてん上帝じょうていともいう。宋代そうだいには避諱ひいみなのため、真武と改名されている。清代には北極ほっきょくたすくせいしんくんに封じられている。上帝じょうていおきな、上帝公などとも呼ばれる。福建省では黒虎に置きわっている。北方を守護しゅごする、水神である。玄は黒を意味し、黒は五行説では北方の色とされ水を表す。脚の長いかめへびき付いた形でえがかれることが多い。ただし玄天上帝としては黒服の男性に描かれる。古代中国において、亀は長寿ちょうじゅと不死の象徴しょうちょう、蛇は生殖せいしょく繁殖はんしょくの象徴で、後漢末のはくよう周易参同契しゅういさんどうけいで、玄武の亀と蛇の合わさった姿を、玄武は、共に寄りい、もっておすめすとなし、後につがいとなると、陰陽おんようが合わさる様子に例えている。玄武の本来の表記は玄冥げんめいであり、玄武は、冥界と現世を往来して、冥界にて神託を受け、現世にその答えを持ち帰ることが出来ると信じられた。玄武の武は、玄武の武神としての神性に由来し、後漢の蔡邕さいようは北方の玄武、甲殻類こうかくるいの長であると述べ、北宋ほくそうこうこうは武という亀蛇は、北方にいる。ゆえに玄と言う。身体にはうろこ甲羅こうらがあり故に武というと述べた。玄武の武神としての神性は、信仰を得られず、とうそう以降いこうには伝わらなかった。中国天文学では、周天を天の赤道帯に沿って四分割した一つで、北方七宿の総称である。北方七宿の形をつなげて蛇のからみついた亀の姿に象った。奈良県ならけん明日香村あすかむらのキトラ古墳の石室内の北側壁きたがわへきにも玄武が描かれている。俳句において冬の季語である冬帝・玄帝と同義であり、冬の象徴である。なお、冬のことを玄冬ともいう」

「勇気と友情があれば、何でもできる!」

ヒビキたちは、玄武の封印にいどむ。

 すると、雨がってきた。

「僕がみんなを守って見せる!」

ヒビキは、サファイアのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それを仲間たちに向けてると、

「クリアーリフレクション!」

ヒビキたちの周りに結界ができ、ダメージを最小限におさえた。

「僕に任せてください」

ウィルは、アレキサンドライトのマジカルジュエルを魔法の筆にセット。それを青龍に向けて振ると、

「レインボーシンフォニー!」

ウィンディの魔法によって、玄武の封印に成功した。

 すると、

「これは…」

萌黄もえぎいろのしずくだ!」

「萌黄色は、春に萌え出る草のをあらわす色で、英語色名の春野の緑を意味するスプリンググリーンに意味的にも色的にも近い。若草色とも呼ばれる。オウムの羽色に近いことから、英名はパロット・グリーンである。萌黄は、萌葱もえぎ・萌木とも書かれることがあるが、一般的いっぱんてきには萌黄を用いる。黄色を加えたあざやかな緑が萌黄、暗い緑が萌葱、青みがかった緑は萌木と以下のように分類される」

ヒビキは、萌黄色のしずくを手に入れた。

 そして、

「ちゅぴ!」

「ちゅる!」

グリーン地方を守る木のいずみが天空の島とつながった。

 その後、

「グハハハハハッ!」

ヒビキたちがトリップ号に戻ってくると、大魔王の新たな目撃もくげき情報じょうほうが入ってきた。

「どこで見かけたのだろうか?」

近畿きんき地方ちほうで見かけたわ」

「近畿地方は、かつての畿内とその周辺地域から構成される。難波宮、平城宮、平安宮以降東京へいあんぐういこうとうきょう奠都てんとまでの王城の地で、現在は関東地方に次ぐ日本第二の都市圏・経済圏であり、西日本の中核ちゅうかくである。近畿地方の範囲はんいについて法律上の明確な定義はないが、主要な百科事典では大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・三重県・滋賀県しがけん・和歌山県の二府五県を指すことが多い。尚、三重県については東海地方にもふくまれる」

「街の明かりが突然とつぜんえてしまって、困っている」

ゼルコバ博士とリアは、大魔王の現在地について語っていると、

「次なる伝説の猛者は、セントラル地方にいるそうだ」

「今すぐ行くしかない!」

「うん!」

次なる伝説の猛者を見つけるために、ヒビキたちを乗せたトリップ号は、セントラル地方へと飛び立っていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る