第116話 人魚の入り江のプリンセス

 プロミネンス地方を訪れているヒビキたちが次に向かった場所は、人魚の入り

「入り江は、うら、入り海ともいう。多くの場合において、陸地と水面との境界が他の場所よりも深く陸地側に切り込まれている状態である。小江より大きく、わんよりは小さい。しかし、この境界はしばしば曖昧あいまいである。また入り江は他の沿岸水域に比べ遠浅で、特に平均して季節風が叩き付けるような入り江を除けば、平坦へいたんな海岸線に比べると波が穏やかな水域が広い傾向けいこうがある。このため港などはこの入り江を利用して作られる場合もあり、また海水浴場の中には、入り江に面した地域に設けられることもある。しかし普段季節風の直撃ちょくげきがなく、台風やハリケーンなど特別な気象の変化で海側からの強風をもろに受けるようになった場合は、普段穏やかな入り江が一変、平坦な海岸線では平均して分散化される波の力が入り江の奥に殺到さっとう、高潮や水害といった被害を受けることもある。また津波つなみでは入り江の構造によって波のエネルギーが集中、波の高さが増幅ぞうふくされて被害が拡大することもある。このため入り江の入り口付近に防波堤ぼうはていを設置して、波が入り江のおくを洗わないようにするための地形改造も行われる。入り江は海などの侵食によって海岸線がけずられて入り江になる場合もあれば、川の流出口が侵食しんしょくされ入り江となる場合もある。特に河口かこうの侵食が進行すると、三角江と呼ばれる河口部分が末広すえひろがりになる地形になる」

「きれいな海!」

「青くみ渡っている!」

そこには、美しい海が広がっている。

  すると、

「あれは…」

「人魚だ!」

水中から人魚が現れた。

「ちゅぴ!」

「ちゅる!」

「あっ!」

そこに、一人の少女が現れた。

「人魚の入り江にやってきたのね!私は、海のプリンセスのシエル!そちらは、私のパートナーであるローラ!ジュゴンの女の子よ!」

「ジュゴンは、本種のみでジュゴン属を構成し、現生種では本種のみでジュゴン科を構成する。全長三メートルで、体重四百五十キログラムである。体色は灰色で、腹面は淡色である。全身は長いじゅうもうと短い剛毛ごうもうでまばらに被われる。鼻面はなづらは下方に向かい、円盤状えんばんじょうである。鼻腔びくう吻端ふんはし前方ぜんぽうに開口する。眼は小型で、頭部背面付近に位置する。眼後部に耳孔じこうが開口する。十八センチメートルの牙状きばじょうの切歯が二本あるが、ほねの中に埋没まいぼつしている。臼歯きゅうしの数は六本で、胸鰭はしゃもじ形で、むなびれに爪がない。尾鰭おひれは三角形である。尾鰭後縁には切れ込みが入る。出産直後のようじゅうは体長一メートルである。体重三十キログラムで、六本の小臼歯があるが、生後一年以内に脱落し代わりに臼歯が萌出ほうしゅつする。 オスの成獣は上顎じょうがく第二だいに切歯せっしが一センチメートル萌出する。観察例からこれは交尾の際にすべりやすいメスを扱うのに用いるとする説もある。乳頭は胸鰭基部の腹面に位置する。前肢ぜんしは短く顔には届かない。繊維せんいが多く、消化しにくい海草を食べるので、四十メートル以上という長いちょうを持っている。熱帯や亜熱帯あねったいにある浅海せんかいに生息する。季節的な回遊は行わないが、数百キロメートルを移動することもある。シャークわんやモートン湾では季節移動を行うとする報告例もある。単独もしくは母親と幼獣からなる数頭の群れを形成することが多い。生息数が減少した現在ではまれであるが、数百頭に達する大規模な群れを形成することもある。胸鰭を使って海底を徘徊はいかいし、速く泳ぐ際には尾鰭を使う。遊泳速度は時速三キロメートルで、危険を感じた時は時速二十二キロメートルで逃げることもあるが長続きはしない。野生下の潜水せんすい時間じかんは平均一分十二秒から一分三十秒・平均一分二十三秒の報告例がそれぞれあり後者では最長六分四十秒の報告例もある。空中観察から水深十一メートルまで潜水できると考えられている。一方でオーストラリアのクイーンズランド州では水深三十三メートルでしょくせきが発見された例もある。飼育下での潜水時間は最長十三分二十秒の報告例がある。人間による狩猟しゅりょうなどがない地域では聴覚ちょうかくたよりにダイバーやボートに興味を持って接近することもある。食性は植物食で、ウミジグサ属Holodule、ウミヒルモ属Holophila、ベニアマモ属Cymodocea、リュウキュウスガモ属Thalassiaなどの海草を食べる。昼間に採食を行うが、人間がいる地域では夜間に採食を行う。一日あたり体重の十五パーセントの量の食物を摂取していると推定されている。摂取した食物は百六十時間、体内に留まった後に排泄はいせつされる。飼育下でアマモを与えた実験から食物の消化率は八十パーセント以上と推定され、植物食の陸棲りくせい哺乳類ほにゅうるいよりも高い。オーストラリアでは洪水やサイクロンにより海草が広範囲こうはんい死滅しめつすることがあり、そのような場合は別の場所へ移動するか繁殖はんしょくおくらせる。繁殖様式は胎生たいせいである。交尾は鳥羽でオスがななめ後方からメスに接近し、前肢でメスを固定した後にいんけい挿入そうにゅうした観察例がある。妊娠にんしん期間きかんは十三か月である。一回に一頭の幼獣を産む。出産しゅっさん間隔かんかくはオーストラリア周辺では五年で、授乳じゅにゅう期間きかんは十八か月である。幼獣は母親の胸鰭後方について泳ぎながら乳を飲み、母親は前肢できかかえながら授乳はしない。低緯度地方では生後六年、高緯度地方では平均生後十七年でせい成熟せいじゅくする。寿命じゅみょうは、メスは歯の成長輪から最大七十三年と推定されている」

「よろしく!」

シエルとローラがヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「僕は、空の国から来た名波響樹。そちらは、パートナーのチララとコロンだ」

「ちゅぴ!」

「ちゅる!」

「僕の名前は、風間健太。こちらがパートナーのナツだよ」

「よろしくね!」

「私は、桃宮ももみやサクラ!こっちはパートナーのラビカよ!」

「どうも!」

「うちはプロの料理人、飯塚いいづか大輔だいすけや!ほな、ダイ大将と呼んでや!」

「僕はミッケ!こっちはパートナーのドドだよ!」

「よドドしく!」

「あたしは、チョウ・リンリン。こちらにいるのが、パートナーのタンタンよ」

「よろしく」

「やあ!僕は野沢のざわかなた!こちらは僕のパートナーのジョン!」

「ワン!」

「私の名前は鈴森すずもりねね!こっちはパートナーのミル!」

「ニャン!」

「俺の名前は真田さなだあらし。こっちがパートナーのバニラとココアだ」

「どうも!」

「よろしくね!」

と、ヒビキたちも自己紹介した。

「ここは、時空のかなたから現れた魔王まおうによって狙われている。そこで、僕たちと一緒に冒険ぼうけんの旅に出てほしい!」

ヒビキがシエルにあるお願いをすると、

「本当に!?ありがとう!」

と、ありがたく受け入れた。

「君にわたしたいものがある」

「これは?」

「アクアマリンのマジカルジュエルだ」

「アクアマリンは、緑柱石のうち透明とうめいで青い色調のものの宝石名ほうせきめいである。和名はあいたまもしくは水宝玉である。エメラルドより低価格で市販品しはんひんの多くは緑色から黄褐色おうかっしょくの緑柱石を熱処理ねつしょりしたもの。主要原産地はマダガスカル、ブラジル、シベリア等である。字義どおりには海の水を意味する。また、三月の誕生石としても有名である」

チララがアクアマリンのマジカルジュエルをシエルに渡すと、

「これで、ローラとの魔法が使えるね!」

「うん!」

シエルはこれで、魔法が使えるようになった。

「あの火山に、魔王の気配けはいを感じる…」

その時、アラシはこんな言葉を残した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る