プロミネンス地方の冒険

第107話 プロミネンス地方に向けて

「皆様、当機はまもなく離陸りりくいたします。おめのシートベルトを今一度ご確認ください」

ヒビキたちを乗せたABCカーゴサービスの旅客機は、目的地であるプロミネンス地方に向けてABCカーゴサービスの本部を離陸していた。

「あっ、あれを見て!」

しばらくすると、機内のスクリーンに何かが映し出された。

「太陽の楽園・プロミネンス地方へようこそ!島民一同、皆さんをお出迎えできることを大変うれしく思います。太古の火山活動によって刻まれた豊かな自然とリゾート施設しせつに、サファリパークが有名です。そして、新鮮しんせんなシーフードをお楽しみください」

それは、観光客に向けて作られたプロモーション映像だった。

「地上最高のおもてなしでみなさまを歓迎かんげいいたします。ごゆっくりお過ごしください」

映像が終わると、

「プロミネンス地方とは、どんなところなのか?」

「楽しみだね」

ヒビキたちは、わくわくした気持ちになった。

「さっきの映像、何かが映っていたような…」

すると、アラシは何かに気づく。

「確か、巨大なものだった気がする」

しかし、ヒビキとチララはサファリパークの映像に気を取られ、バニラとココアはリゾート施設について気になっている。

「おい、ここにはバカンス目的で来たわけではない。七つ目のクリスタルを探すことだと自覚してくれ」

これには、アラシもあきれた様子。

 その頃、

「プロミネンス地方は、おもてなしがまった場所だと思っている」

「そうだわ。私も行ってみたかったわ」

トリップ号に乗っているゼルコバ博士とリアは、プロミネンス地方についての情報を収集していた。

「もうすぐ、こちらに着くみたい」

「飛行機は順調に飛行しているわ」

そして、

「皆様、飛行機は最終の着陸態勢に入ります」

飛行機は空港に降り立とうとしていた。

「いよいよだね!」

「プロミネンス地方が見えてきたよ!」

すると、

「うわっ!」

「きゃっ!」

「わっ!」

飛行機は、あわや不時着という形で着陸してしまった。

「皆様、ただいまプロミネンス地方に着陸いたしました。安全のためベルト着用サインが消えるまでお座りのままお待ちください。上のたなをお開けになる際は手荷物てにもつすべり出るおそれがありますので十分お気をつけください。ただいまから全ての電子機器をご利用いただけます。尚、他のお客様へのご迷惑になりますので、携帯けいたい電話でんわの通話はおひかえ下さい。また、おりの際には、携帯電話などのおわすれ物をなさいませんよう、シートポケットなどをお確かめ下さい。皆様、今日もABCカーゴサービスをご利用いただきましてありがとうございました。皆様の次のご搭乗とうじょうをお待ちしております」

「何が起こったのだろうか…」

ヒビキたち乗客や乗務員が無事だったことが不幸中の幸いだが、ヒビキは滑走かっそうに何が起きたのかが気になるようだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る