第85話 昼夜で一変!ライブハウス

 ヒビキたちは、商店街に新しくできたライブハウス「クラブ・ポップ」を訪れている。

「ラッコは、北アメリカ大陸から千島列島の沿岸にかけて棲息せいそくしている。毛皮を採取するため乱獲らんかくされ、日本では二十世紀初頭にいったん絶滅ぜつめつした。北海道東部で一九八〇年代から再び目撃もくげきされるようになり、モユルリ島、きり多布たっぷみさきでは繁殖はんしょくも確認されている。水族館で飼育しいくもされている。イタチ科のうちで水棲に進化したのがカワウソ類であるが、その中から海洋に進出して、陸に依存しないでも棲息可能なまでの本格的な適応をげた唯一の現生種が、ラッコ属であり、ラッコである。氷期を迎えた北太平洋西部海域におけるコンブの出現と適応放散がもたらした新たな生態系が、ラッコの出現および適応放散と密接に関係すると考えられている。体長約百十五センチメートルである。尾長約三十センチメートルで、体重オスやく三十キログラム、メス約二十五キログラムである。イタチ科最大種である。は短く扁平である。尾の基部には臭腺しゅうせん(しゅうせん)を持たない。体毛密度が高く、哺乳類ほにゅうるいのなかでも最も高い部類に入る。一平方センチメートルあたり十万本以上のやわらかい下毛が密生し、これはヒトで言えば六平方センチメートルの皮膚ひふ頭髪とうはつすべてが生えているのに相当する密度である。全身では八億本もの体毛が生えている。潜水せんすいする時も綿毛の間に空気の層ができることで、寒冷な海洋でも生息することができる。全身をくまなく(け)づくろいするために柔軟じゅうなんな体、皮膚をそなえている。体色はせき褐色かっしょくのう褐色かっしょく・黒と変異へんいが大きく、頭部やのど胸部きょうぶは灰色や黄白色である。吻部ふんぶにはどうが密生する。ようじゅうは全身が黄褐色、亜成あせいじゅうは全身が濃褐色の体毛でおおわれる。吻端の体毛がない裸出部は菱形ひしがたである。臼歯は扁平で幅広く、貝類や甲殻類こうかくるいくだくことに適している。大臼歯だいきゅうしは大型で丸みを帯び、固い獲物えものを噛み砕くことに適している。前肢は小型で、指の境目は不明瞭ふめいりょうである。つめは引っ込めることができる。こう鰭状ひれじょうである。水分は海水を飲むことでおぎなっており、過剰かじょう塩分えんぶん排泄はいせつするためにカワウソ類の平均の二倍もの大きさの腎臓じんぞうを持つ。海洋の沿岸部に生息し、主に海岸から一キロメートル以内の場所に生息する。主に岩場が近くにあり、海藻かいそう繁茂はんもした環境に生息する。陸上に上がることは稀であるが、天候があおれた日には上がることもある。単独で生活するが、繁殖期にはペアで生活する。休息時には数十頭から数百頭の個体が集合することもある。数十頭からなる群れを形成し、生活する。昼行性で、夜間になると波のない入江などで海藻につかまって休む。生息密度が高く人間による攪乱のない地域では、陸上で休むこともある。夜間になると海藻を体に巻きつけて海流に流されないようにして休む。防寒効果を維持いじするため、頻繁ひんぱんに毛繕いをし、毛皮を清潔せいけつに保っている。幼獣の毛繕いは母親が行う。主に水深二十メートルまで潜水するが、水深九十七メートルまで潜水した例もある。主に約一分間の潜水を行うが、最長で約四分の潜水を行った例もある。食性は肉食で、貝類、甲殻類、ウニ類などを食べる。これらがいなければ魚類を食べることもある。時には海面で海鳥を捕殺することもある。獲物は前肢で捕えることが多い。かたい獲物は歯や前肢を使い、中身をこじあけて食べる。貝類やウニ類は胸部や腹部の上に石を乗せ、それにたたきつけて割り中身だけを食べることもある。このため道具を使う哺乳類として紹介されることもある。魚を捕らえるのは苦手とする説もある。亜種カリフォルニアラッコでは道具を使い、貝類を割る行動が比較的ひかくてき確認かくにんされているものの、主に柔らかい獲物を食べる亜種アラスカラッコでは道具を使って貝類を割ることはまれとされる。なお、動物園などで飼育されているラッコの場合は自然界には無い道具を使用するほかに水槽すいそうのガラスに貝殻を叩きつけることも確認されており、日本の豊橋とよはしでは強化ガラスを叩きつけすぎて強化ガラスにヒビが入った例も確認されている。また貝類を食べる際の石等の道具や食べ切れなかったアサリ等はわき腹のたるみをポケットにして、しまい込んでおくくせがある。皮下ひか脂肪しぼうが少なく、体温維持のため一日あたり体重の二割もの魚介類を食べる必要がある。ラッコが長く生息する海域ではウニが食い尽くされて、主に貝類を捕食するようになるといわれる。そういった生態から漁業ぎょぎょう被害ひがいうったえられることもあるが、ウニが増えるとコンブなどの海藻が食い尽くされる弊害へいがいがあり、ラッコが生息することでそれを防ぐ効果もある。二〇一〇年代以降に再定着しつつある北海道東部でも、ウニの食害を問題視する漁業者がいる半面、ウニを減らしてコンブを保護ほごする効果を期待する意見もある。繁殖様式は胎生たいせいである。交尾、出産は海上で行う。春になるとおすめすに交尾のアピールをし、雌の承諾しょうだくが得られると並んで仰向あおむけになって波間にかぶ。雄は交尾の際、体勢を維持するために雌のはなを噛む。たいていはすぐに治る軽症けいしょうむが、稀に傷が悪化し、食物を食べられなくなることなどで命を落としてしまうケースもある。雄は交尾が済むと別の雌を探しにいき、子育てに参加することはない。妊娠にんしん期間きかんは六か月半から九か月である。一回に一頭、まれに二頭の幼獣を産む。腹の上にを乗せながら、海上で仔育てを行う。幼獣は親が狩りをしている間、波間に浮かんで親がもどってくるのを待つ。このときは無防備になり、ホホジロザメに約一割の幼獣が捕食されてしまう。幼獣は親から食べられる物の区別や道具の使い方を習う。成長したラッコは気に入った特定の石を保持し、潜る際にはおもりに使う」

「ようこそ、クラブ・ポップへ!」

そこには、クラブ・ポップのライブスタッフであるラッコのホップがいた。

「今はライブの準備中だけど…」

「差し入れのパイナップル、持ってきたよ」

「パイナップルは、単にパインと略して呼ばれることもあるほか、漢名は菠蘿ほつた、またはおおとりなしである。中国や香港ほんこんでは菠蘿、台湾たいわんでは鳳梨と表記する。また、植物名としてアナナスと呼ぶこともあり、果実や可食部のみパイナップルと呼んで区別することもある。 パイナップルという名前は、本来は松の果実、すなわち松かさを指した。これが十八世紀ごろに、似た外見をもつ本種の果実に転用され今に至る。なお、沖縄県おきなわけんまみ群島ぐんとう(ぐんとう)の海岸付近にも自生するアダンは似た外観の果実が木からぶら下がるように成るが、果肉はスカスカでしぶみがあり、種の仁しか食用にはならない。葉は地下茎から叢生そうせいして剣状けんじょうかたく、ふちにとげのある品種とない品種がある。増殖させるときの苗は葉の付け根の腋芽えきがが発達したきゅうを用いる。苗(なえ)を植えて十五カ月すると株の中心部からはなが現れる。六十センチメートルから長いものでは百センチメートルに至る花軸はなじくが伸び、先端部分に円筒形えんとうけいの花序が付き、約百五十個の花がく。花序にらせん状に密生する花はがく、花びらとも三枚で、単子葉植物の典型的な姿である。花びらは肉質であり、色は白を基調とし、先端部分が薄紫色うすむらさきいろを帯びる。開花後、受粉の有無によらず、約六カ月で結実する。結実後、子房しぼうに由来する真の果実と個々の花の基部にある花托かたく、さらに花序の軸までが融合ゆうごうして肥大化ひだいかし、いわゆるパイナップルとなる。 花序の先端の成長点は開花後も成長を続けて葉をつけたがんになり、これをし木しても繁殖できるが、吸芽を用いるよりも開花までの時間がかかるため、経済けいざい栽培さいばいにおける繁殖用には用いられていない」

チララがパイナップルをホップに差し入れると、

「ありがとう!お礼としてネタを披露ひろうするから、待っててね!」

と、元お笑い芸人のホップは差し入れを受け取り、ネタの準備をする。

「どうも、ホップでございます!」

ホップのネタが始まると、

「うちの好いとうもんは、辛子からし明太子めんたいこともつなべばい!ばりうまかもんやけん、よかならぜひ食べてみんしゃい!」

と、博多弁を交えたネタを披露した。

 そして、

「いっぱい客がいる!」

「サクラのファンも、多くいるんだね」

夜になると、人気ジュニアアイドルであるサクラのライブステージが始まった。

「私の彼氏は天才コンピューター」

「Ah 一目ぼれよ」

「足し算引き算 け算割り算」

「何でもどんとこい」

「漢字の読み書き」

「すらすらできちゃう」

「そんな私の彼氏は」

「最先端の物知りさん」

「難しいパズルも」

一瞬いっしゅんで解けちゃうわ」

「私の彼氏は天才コンピューター」

「Oh ビジュアルもイケてるわ」

「私の彼氏は天才コンピューター」

「Ah 一目ぼれよ」

サクラが歌い終えると、

「ハピネス 夢が始まる」

「カラフルモード」

「史上最大のチャンスがやってきた」

「毎日見かけるあの子に」

「一目ぼれ」

「普段はとっても目立ってる」

「男の子」

「グラウンドの前 あわててたら」

「急に 電話番号 メールアドレス」

「メモにしてくれた」

「ラッキー 夢が生まれる」

「地元の街」

「ばれないようにメモを受け取った」

「ハピネス 夢が始まる」

「カラフルモード」

「史上最大のチャンスがやってきた」

アンコールとしてもう一曲を歌うのであった。

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