第70話 名水で育てられたキイチゴ

 にじいろたきを目指して、ヒビキたちは名水の小道を歩いている。

「きゃー、誰か助けて!」

すると、イチゴの生き物が葛飾かつしか北斎ほくさいの絵画のモンスターにおそわれている光景を目撃もくげきした。

「葛飾北斎が描いたがく三十六景さんじゅうろくけい神奈川沖浪かながわおきなみうらは、凶暴きょうぼうなまでに高く激しく渦巻うずま波濤はとうと、波にまれる三艘さんそうの舟、それらを目の前にしつつ、うねる波間からはる彼方かなたにある富士の山を垣間見かいまみるという、劇的な構図をとっている。一筋一筋ひとすじひとすじの水の流れ、波濤のうねり、波に沿わせた舟の動き、富士山のなだらかな稜線りょうせんといったものはすべて、幾重いくえにも折り重なる対数たいすう螺旋らせんの構成要素となっている。モデルの地については様々な説がある。神奈川沖とは現在の神奈川県横浜市神奈川区の沖合であるが、図中の三艘の船は押送船と呼ばれ、房総ぼうそう半島はんとうから江戸に海産物を運ぶ際に利用されたものであるため、東京湾とうきょうわんで神奈川の対岸にあたる木更津きさらづの沖合付近から富士を望んだという説がある」

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、葛飾北斎の絵画のモンスターにとらわれたイチゴの生き物の救出作戦が始まった。

 すると、雨がってきた。

「僕がみんなを守って見せる!」

ヒビキは、サファイアのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それを仲間たちに向けてると、

「クリアーリフレクション!」

ヒビキたちの周りに結界ができ、ダメージを最小限におさえた。

「何が起こるかわからないけど、行っちゃえ!」

ネネは、アメジストのマジカルジュエルを魔法の筆にセット。それをモンスターに向けて振ると、

「シャインマジック!」

ミルの魔法によって、モンスターは絵画の姿にもどっていた。

「イチゴは、一見して種子に見える一粒ひとつぶ一粒ひとつぶ痩果そうかが付いた花托かたく部分ぶぶんが食用として供される。あまみがあるため果物として位置づけられることが多いが、草本性の植物であるので野菜やさいとしてあつかわれることもある。通常、可食部の表は赤色だが、白色の品種もある。狭義きょうぎには、オランダイチゴ属の栽培さいばいしゅオランダイチゴを意味する。イチゴとして流通しているものは、ほぼ全てオランダイチゴ系である。広義にはオランダイチゴ属全体を指す。英語のstrawberryはこの範囲はんいである。バラ科オランダイチゴ属の半落葉性草本であり、北半球の温帯に広く分布しているほか、ハワイ諸島しょとうやチリ中南部にも分布している。さらに最広義には、同じバラ亜科あかで似た実をつける、キイチゴ属やヘビイチゴ属を含める。これらを、ノイチゴ、と総称そうしょうすることもある。オランダイチゴ属の二倍体の種にも、この総称に含まれているものがある。漢字表記の場合は、現代の中国語では、オランダイチゴ属は草莓ツァオメイとされる。明治時代から広く日本国内各地で生産されるようになったオランダイチゴ属は、日本語ではいちごと表記される場合が多い。好光性種子である。可食部は花托の発達したものであり、表面に分布する粒々がそれぞれ果実である。このような形態をとるものをイチゴ状果という。独特の芳香ほうこうがあり、属名の由来にもなっている。属名のFragariaはラテン語でかおるの意である。ビタミンCが豊富である他、こう酸化物質ぶっしつとして知られるポリフェノールの一種であるアントシアニンや抗癌こうがん作用さようのあるエラグ酸をふくむ。生食の他、ジャムに加工されることも多い。受精すると花托の肥大ひだいが始まるが、一部受精していないしべがあるとその部位の肥大が弱くなる。したがって形の整った果実を作るためには、全ての雌しべが受粉じゅふんするようにする。しかし、実際の栽培においては雌しべの先端部せんたんぶが未熟なまま開花するため、均一な成長が行われるために形成期けいせいき施肥せひと温度管理が行われる」

「助けてくれてありがとう!あたし、あかほっぺ!」

あかほっぺはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「そこにキイチゴが実っている!」

「キイチゴは、ほとんどは小柄ながら木質化したくきを持つ低木で、一部に匍匐性ほふくせいのものや草本がある。茎や葉にとげを持つものも多い。しべは多数の心皮からなり、それぞれが独立した果汁を含んだ粒の形になる。したがって、果実はそのような粒のかたまりに見える。果実は食べられるものが多く、いわゆる野いちごは大部分がこの属のものである」

「おいしそう!」

水辺の近くにキイチゴが育っているところを発見した。

「お土産みやげとして持ち帰るよ」

「食料を確保するために」

「ありがとう!」

ヒビキたちはキイチゴをみ取って、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう!」

「うん!」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、あかほっぺはハミングタウンに帰ったのであった。

「見えてきた!」

「あれは、虹色の滝!」

そして、虹色の滝が見えてきた。

「あと少しだよ」

頑張がんばろう!」

「うん!」

ヒビキたちは、虹色の滝へと向かうのであった。

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