第67話 新種の花を交配!

「白と赤を混ぜると」

「ピンクになった!」

ヒビキたちは、ハミングタウンに植えられているピンクのバラを見ていた。

「試しに、花の交配をやってみる?」

そこに、園芸店のデイジーは現れた。

「赤いユリと黄色いユリがあるよね?」

「はい!」

ヒビキとチララは、ユリを交配する。

「オレンジの花がいた!」

「すごい!」

すると、オレンジの花が咲いた。

「見て!」

「オレンジのマーガレットだよ!」

「マーガレットは、観賞用の園芸植物として、主に温室やビニールハウスで栽培さいばいされる。カナリア諸島しょとうが原産地で、十七世紀末に欧州おうしゅうわたる。日本には明治時代末期に伝わり、大正時代から幅広はばひろく栽培されるようになった。春から初夏に花をつける。白色の一重咲きが普通であるが、黄色やピンクのもの、八重咲き、丁字咲きのものもある。本来は宿根草であるが、日本では温暖地でないと越冬えっとうできない。フランスギク属のシャスターデージー Leucanthemum x superbum やフランスギク Leucanthemum vulgare とよく混同される。何年も越冬できて大株たいかぶになってくるとくきが木質化し、低木のようになる。繁殖はんしょくによる。色々な花の咲き方があり、真ん中におしべ、めしべがありその周りに花びらがついている咲き方や、全体に花びらが付いている、オペラ咲きなどがある」

ケンタとナツは、オレンジのマーガレットを咲かせ、

「赤い花同士を組み合わせて…」

「黒い花ができた!」

「こっちは、スズラン!」

「スズランは、狭義きょうぎにはその中の一変種Convallaria majalis var. keiskeiを指す。君影草、谷間のひめ百合ゆりの別名もある」

サクラとラビカは、黒いスズランを咲かせた。

「白同士で…」

「青になった!」

「これは、ヒヤシンス!」

「ヒヤシンスは、耐寒性たいかんせい秋植あきうえ球根として扱われ、鉢植はちうえや水栽培などで観賞される。春先に香りのよい花を咲かせる。原種本来の花色はあお紫色むらさきいろのみだが、園芸品種には暖色から寒色までさまざまな色彩しきさい濃淡のうたんゆたかにそろう」

ミッケとドドは、青いヒヤシンスを咲かせ、

「こっちの花は…」

「紫に咲いた!」

「これは、キクの花!」

「キクは、日本では日本で観賞用多年草植物として花卉かき園芸えんげいで発展した品種群を和菊わぎく、西ヨーロッパで育種されて生まれた品種群を洋菊と呼ぶ。イエギクは、キク科キク属の植物である。秋に咲く花であるが、短日性植物で、電照などを用いた作型の分化により、周年供給されている。食用にするもってのほかなどの品種もある。花言葉は高貴である。観賞園芸的には和菊、生産園芸的には洋菊が中心に栽培されている。また、切花としては温室での電照栽培で周年出荷されている。バラ、カーネーションとともに生産高の多い花卉かきとなっている。日本において菊は、元々は外来種であり、薬草や観賞用植物として中国から伝来した。平安時代に用いられ始めて、宮中では菊の節句とも呼ばれる重陽の節句が明治時代まで行われ、現在でも皇室園遊会として行われている。日本で菊の栽培がさかんになったのは、栽培のプロセスが冬に芽をとり、春に植え、夏に成長させ、秋に観賞するといった具合で、イネの栽培と類似していることが影響しているとの説もある。現在では各地に愛好会あいこうかいができる一方で、秋には、それらが主催しゅさいの品評会が開かれている。物品への意匠として用いられることも多く、鎌倉かまくら時代じだいに後鳥羽上皇が身の回りのものにほどこしたことにより天皇および皇室のもんとなったといわれ、鎌倉時代には蒔絵まきえ衣装いしょうの文様として流行した。日本の南北朝なんぼくちょう時代じだい以降いこうには天皇より下賜かしされることにより公家や武家の間で家紋として使用されるようになった。江戸時代には品種改良が行われた。世界的には、フランス、ポーランド、クロアチア等の一部のヨーロッパ諸国において白菊が墓参に用いられ、中国、韓国かんこくでも葬儀そうぎの際に菊が用いられることが多い。日本でも古くから仏花や献花けんかとして菊が使用されてきた。キクの花弁が放射状ほうしゃじょうに並んだ形状に由来する慣習的な呼び名があり、アンモナイトの化石を菊石と呼ぶほか、また陶芸とうげいやそば打ちでの材料の練り方に菊練りがある」

リンリンとタンタンは紫のキクの花を咲かせた。

「赤とオレンジを組み合わせたら、ピンクになったで!」

「これは、アネモネ!」

「アネモネは、語源はギリシア語で風を意味するΆνεμοςから。ギリシア神話中に、美少年アドニスが流した血よりこの植物が産まれたとする伝説があり、まれにアドニスと呼ぶこともある。なお、adonisはフクジュソウ属の学名である。古くから人との関わりが深く、原生地から各地への伝播には、十字軍や巡礼者じゅんれいしゃが関わっており、神話や伝説にも多く登場する。原生地の地中海地方では、比較的ひかくてきあめの多い冬に生育し、初夏に地上部が枯れると球根となり、暑く乾燥かんそうする夏をす。日本では、気温の下がる秋に芽を出し、春に咲き夏前に地上部をらし、塊根かいこんをつくって休眠する。一般いっぱんに春先に花を開くが、その花は一重のものから八重咲きのもの、花色も桃色ももいろ、青、赤、白等。草丈も切花用の高性のものからわいせいしゅまで、野生種のみではなく、現在では様々な園芸品種が栽培されている。種は長い毛を有し、風によって運ばれる。このため風が由来となっている名前が各地で見られる。花弁はなく、萼片がくへんが同じ働きをしている。イスラエルでは二〇一三年からシクラメンから切り替わって国花になっている」

そして、ダイ大将はピンクのアネモネを咲かせた。

「様々な色の花が咲いている!」

「ガーデニングのバリエーションが広がりそう!」

ヒビキとチララはそう思いつつ、

「ちゅぴ!」

「ピカっとひらめいた!」

「次のクリスタルの居場所は、色に関係しているかも!」

「今すぐゼルコバ博士にも伝えなくちゃ!」

と、新たな情報を見つけたようだ。

 一方その頃、トリップ号ではゼルコバ博士とリアが次のクリスタルのありかについて調べていた。

「せせらぎ川は、シャインビーチを下流として流れているそうだが…」

「上流へ行った方がイイかも!」

どうやら、せせらぎ川のなぞを解明したようだ。

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