第44話 林道でサルが修行中

 ヒビキたちは、ハミングタウンに新しくやってきた住民に家を作るべく、木漏こもれ日林道にいた。

「修行の邪魔じゃまをするな!」

サルの男の子がハンマーのモンスターにおそわれている光景を目撃もくげきした。

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、ハンマーのモンスターにとらわれたサルの男の子の救出作戦が始まった。

「本番はまだまだこれから!」

リンリンは、ガーネットのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それをモンスターに向けてると、

「フレアブレイズ!」

タンタンの魔法によって、モンスターの撃退に成功した。

「サルは、通俗的つうよくてきな意味ではヒトを除いたサル目のことである。ただし、生物学的観点から見ればヒトもまたサル目にふくまれ、サルの一種に他ならない。 日本の歴史的文献れきしてきぶんけんにおいては、単にさるといえば日本固有種のニホンザルを指す場合が多い。英語のmonkeyや、いくつかの言語での相当する語は、学術的な定義上はオナガザル科とこうえんの総称である。つまり、サルのうち原猿と類人猿を含まない。そのため日本語でも、特に翻訳ほんやく文献ぶんけんで、サルにこれらを含めないことがある」

「助けてくれてありがとよ!おっす!おら、さるお!」

さるおはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「君はどうしてここにいる?」

「もっと強くなるために、修行をしているんだ!」

チララの問いかけに、こう答えた。

 すると、

「おっ、おらの家はトレーニングするのにふさわしいデザインにしてほしいぜ!」

「なら、うちに任しとき!」

さるおのリクエストに、ダイ大将はこう答えた。

「どんな家なんだろうか?」

「楽しみだね!」

「ほな、はよ行くで!」

数時間後、さるおの家が完成した。

「おっす、改めて自己紹介するぜ!おらはニホンザルのさるおだ!」

「ニホンザルは、頭胴長オス約五十七センチメートル、メス約五十一センチメートルである。尾長おながオス約九センチメートル、メス約八センチメートルである。体重オス約十一キログラム、メス約十一キログラム。東北地方や中部ちゅうぶ地方ちほう山岳さんがく部の個体群は、西日本の個体群よりも大型である。体毛は寒冷地では長く密におおわれ、温暖地では短くうすく被われる傾向けいこうがある。背面の毛衣はせき褐色かっしょくや褐色、腹面の毛衣は灰色である。種小名 fuscata は暗色がかったの意。顔やしり裸出らしゅつし、赤い。ようじゅうは体毛が密に被われるが、成長に伴い密度は低くなる。オスは犬歯けんしが発達する。常緑広葉樹林や落葉広葉樹林に生息する。地表でも樹上でも活動する。昼行性だが、積雪地帯では吹雪ふぶきの時は日中でも活動しない。群れは約四十平方キロメートルの行動圏内で生活する。行動圏は常緑広葉樹林では狭く落葉広葉樹林内では広くなる傾向があり、照葉樹林では一頭あたり約三ヘクタールだが落葉樹林では一頭あたり約三十五ヘクタールである。複数の異性いせいが含まれる十数頭から百頭以上の群れを形成して生活する。群れは母系集団で、オスは生後約五年で産まれた群れから独立し近くにある別の群れに入ったり遠距離えんきょり移動いどうを行うと推定されている。他の群れとの関係は地域ちいき変異へんいがあると推定されており、例として屋久島の個体群は群れの間で優劣ゆうれつ関係かんけいがあり群れ同士が遭遇そうぐうすると争うが、白山の個体群は群れ同士がけあい時に混ざることもあるという報告例がある。主に果実を食べるが、植物の葉、花、種子、キノコ、たまご昆虫こんちゅうなども食べる。京都府の嵐山あらしやまでは、百九十二種の食物を食べていたという報告例がある。亜種あしゅヤクシマザルは、カエルやトカゲも食べた例もある。下北半島の個体群は食物が少ない時期に樹皮、海藻かいそう、貝類なども食べる。春季は花や若葉、夏季は漿果しょうか、春季から冬季にかけては果実や種子を食べる。 捕食者ほしょくしゃとしてクマタカが挙げられる。肉食の報告例として二〇一五年には北アルプスでライチョウの幼鳥を捕食している姿が観察されている。繁殖はんしょく様式ようしき胎生たいせいである。主に秋季から冬季にかけて交尾を行う。妊娠期間にんしんきかんは約半年である。この時期以外にメスが発情期に発情することは少なく、月経もまれ。春季から夏季に一回に一頭の幼獣をに一回産む。出産しゅっさん間隔かんかくは二年だが、栄養えいよう状態じょうたいによってはより長くなることもある。授乳期間は約十五か月である。メスは生後約六年で性成熟する。野生下での寿命じゅみょうは主に二十五年以下だが、一方で餌付けされた個体群では三十年以上の生存が推定されている個体や生後二十五年で出産した例もある。幸島の個体群では、えさのサツマイモを海水で洗って食べる行動が報告されている。群れの他のものにもそれをまねするものが現れた。海水でサツマイモなどのすなを洗い落として塩味しおあじをつけるイモ洗い行動、砂浜にまかれた麦粒むぎつぶを海中に投じて選別する砂金さきん採集さいしゅう行動こうどうが関心を呼んだ。比較的若い個体がこうした行為を行い、成長しその個体と血縁けつえん関係かんけいがある個体を中心に同様の行動を行う傾向けいこうがある。一方でこうした行動が模倣もほうによる伝搬でんぱんなのか他の個体の行為を見て刺激を受け、試行しこう錯誤さくごし結果的に同じ行動を行うのか慎重しんちょう検討けんとうすべきだとする意見もある。これらの行動はサルの文化的行動として注目を受け、動物にも文化を認める論の先駆さきがけとなった。ちなみに、最初にイモ洗いを行った若いメスの名はイモと名付けられた。このエピソードは中学校の国語の教科書でも紹介された。こうした餌を海水にひたす文化は若いメスザルにより始まったものの、その伝播でんぱは序列に従い、まずは若いオスザル、次に年取ったメスザル、そして最後にボスザルが真似を始める。人間社会と同様、ボスは権威けんい維持いじするために、若いメスザルによって発祥した文化を容易に模倣もほうすることが出来ないといわれる。幸島のサルが魚を食べた事例は、一九八〇年代以前に関しては餌として蒔かれたものが四回、浜に打ち上げられたものを取って食べたのが二回と記録されている。しかし生きている魚を捕まえて食べてはいない」

そこは、道場のような雰囲気ふんいきだった。

ごうじゅうを制す、と書かれているじくは?」

「おらのモットーだ!」

「なんともさるおらしいな」

さるおの家は、リクエスト通りに完成したようだ。

 一方その頃、アラシは木漏れ日林道にいた。

「忠告しておく。森を流れる川には、主がれることを…」

アラシはこう言い残して、どこかへと去っていった。

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