第34話 竹林でパンダを探せ!

 ヒビキたちを乗せたトリップ号は、バンブーの森にたどり着いた。

「竹がいっぱい!」

「タケは気候が温暖で湿潤しつじゅんな地域に分布し、アジアの温帯・熱帯地域に多い。ササは寒冷地にも自生する。タケ、ササの分布は、北はからふとから南はオーストラリアの北部、西はインド亜大陸あたいりくからヒマラヤ地域、またはアフリカ中部にも及ぶ。北アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカの大部分には見られない。かんの丈は代表種であるマダケなどで二十メートルをえる。稈はとても強く大きくしなっても簡単には折れない。通常は、地下ちかけいを広げ、地下茎からタケノコが直接生えることでふえていく。これは、無性むせい生殖せいしょくの一種である栄養えいよう生殖せいしょくである。次々とタケノコが生えることによって生息域を広げて竹林となるが、これらの竹はすべて遺伝子が同一のクローンである。このようにしてふえた竹には寿命じゅみょうがあるので、やがて竹林全体が花をかせて有性生殖を行い、子孫をつくったのちに一斉に枯死こしする。花が咲くことは極めてまれで、花が咲くときは四月から五月にかけてである。一部のタケ類は周期的に開花し一斉いっせいれることが知られている。その周期は極めて長く、ハチク、マダケの場合は約百二十年周期であると推定されている。しかし、まだ周期が分かっていない種類も多い。竹の種類によって開花周期にはばが見られるが、一般いっぱんにはおおよそ六十年から百二十年周期であると考えられている。タケ類は成長力が強く、ピークの時は一日で一メートル以上成長する。竹林の近くにある民家の中に竹が侵入しんにゅうする被害もある。地下茎が地面を広くおおうことからがけ崩れには強いが、逆に強風、地滑り、病気などには弱く、放置された竹林で地滑じすりの発生が多いという研究もある。事実、放置竹林による地滑りの事例がいくつも報告されており、問題が指摘されている。また放置竹林によって山地が覆われ、元々植生していた広葉樹や針葉樹しんようじゅの光合成がさまたげられ、結果として森林の減少を招くという問題も起こっており、各地で対策が講じられている。乾燥かんそうが十分なされたものはかたさと柔軟じゅうなんさを備えており、様々な用途に古来使われてきた。竹細工の材料、建材などのほか、繊維せんいを利用して竹紙も作られている。ちくさくえきや竹炭としても利用される。放置竹林の問題においても、これらの素材としての活用を求め、様々な研究、試行しこう錯誤さくごが行われている。タケのたけのこと呼び、食用とする。葉を食料として利用する動物もおり、ジャイアントパンダはこれを主食としている。モウソウチクを除く種の多くは、限られた地域でしか生育しないことが多い。その理由は不明である」

「なんだかすずしそう」

バンブーの森の雰囲気ふんいきを感じているヒビキたち。

 すると、

「助けて―!」

レッサーパンダが木こりのモンスターにおそわれている光景を目撃もくげきした。

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、木こりのモンスターにとらわれたレッサーパンダの救出作戦が始まった。

「決めるなら、今しかない!」

ヒビキは、サファイアのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それをモンスターに向けてると、

「ジュエリーレイン!」

チララの魔法によって、モンスターの撃退に成功した。

「レッサーパンダは、頭胴長約五十五センチメートルで、尾長約三十五センチメートルで、体重約五キログラムである。全身は長くやわらかい体毛でおおわれ、あしうらも体毛で被われる。背面はせき褐色かっしょくで、腹面や四肢しし・耳介外側は黒い。鼻面はなづらくちびるほお、耳介の外縁は白い。にはたん褐色かっしょくの帯模様が入る。耳介はやや大型かつ三角形で、指趾ししの数は五本である。つめはやや引っ込めることができる。前肢の種子骨が指状の突起とっきに変化し、指と向かい合っているため物をつかむことができ、頭から樹をりることが出来る。肛門こうもんの周辺ならびに足の裏に臭腺しゅうせんがある。こう(あと)破裂孔内はれつこうないけい動脈どうみゃくが開く。こう口蓋孔こうがいあな上顎じょうがく口蓋こうがい縫合ほうごうよりも後方にある。歯列は門歯が上下六本、犬歯が上下二本、小臼歯しょうきゅうしが上顎六本、下顎八本、大臼歯だいきゅうしが上下四本で計三十八本である。裂肉歯内側に咬頭こうとうが二つあり、歯根が三本である。胸椎きょうついの数は十三個、腰椎ようついの数は五個、せんついの数は三個で、盲腸もうちょうがない。出産直後のようじゅうは体長十五センチメートル、体重約百十五グラムである。全身は体毛で被われているが、は開いていない。乳頭の数は八個である。標高約三千メートルにある温帯・亜熱帯あねったいの森林や竹林に生息する。インドのMeghalaya高原では標高約千百メートルの亜熱帯・熱帯の森林にも生息する。樹上棲と考えられている。夜行性もしくは薄明はくめい薄暮性はくぼせいで昼間は休むが、夏季には昼間も活動する。縄張なわばりを形成して生活すると考えられ、オスは臭腺によるにおい付けや一定の場所に排便はいべんすることで縄張りを主張する。タケやタケノコを食べるが小型こがた哺乳類ほにゅうるい、鳥類のたまご昆虫こんちゅう、動物の死骸しがい、果実、地衣類なども食べる。繁殖はんしょく様式ようしき胎生たいせいである。妊娠にんしん期間きかんは約百二十日だが、受精卵じゅせいらんの着床が遅滞ちたいする期間が含まれる。どうや岩の隙間すきまなどで一回に約二頭の幼獣を産む。授乳期間は五か月で、十九か月で性成熟する。寿命じゅみょうは約九年で、飼育下の寿命は十七年六か月の例がある」

「助けてくれてありがとう!あたしはフウ!」

フウはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう!」

「うん!」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、ハミングタウンに帰ったのであった。

「それにしても、パンダが見つからないね…」

「先ほどはレッサーパンダだったから」

竹林といえばパンダだが、これまでに姿は一向に見当たらない。

 すると、

「これを使うドド!」

ミッケはドドからあるものをわたされる。

「これは?」

「トパーズのマジカルジュエル!」

「トパーズは、語源ははっきりしておらず、ギリシャ語で『探し求める』を意味する『topazos』からという文献ぶんけんもあれば、サンスクリット語で『火』を意味する『tapas』からという文献もある。産出地である紅海こうかいの島の周辺がきりふかく、島を探すのが困難だったからとされる。ただし、古くは、トパゾスはペリドットを意味し、ペリドットと現在のトパーズが混同されていた。フッ素やアルミニウムを含み、様々な色をていするが、宝石ほうせきとしては淡褐色のものが上質とされる。加熱や放射ほうしゃせん照射しょうしゃなどで色が変わる。結晶けっしょうの上下方向にへき開性かいせいがあり、強い衝撃しょうげきを与えると内部ないぶ亀裂きれつが発生することがある」

トパーズのマジカルジュエルを魔法の筆にセットすると、

「そこにパンダが?」

「いるかもしれない!」

パンダの居場所を察知することに成功した。

「行こう!」

「うん!」

ヒビキたちは、パンダのありかへと向かうのであった。

 一方その頃、アラシもバンブーの森にいた。

「忠告しておく。パンダはそう簡単に見つからないことを…」

アラシはこう言い残して、どこかへと去っていった。

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