第33話 プテラノドンと古代と新たな仲間

 ヒビキたちは、ダイナモジャングルでの調査を続けていた。

「化石はどこにあるのだろうか?」

ヒビキたちが恐竜の化石を探していると、

「だあれ?未来からやってきたの?」

野生で暮らしている一人の少年を見かけた。

「彼は、古代からやってきたのかな?」

「とりあえず、名前を教えて」

ヒビキたちはその少年をたずねる。

「僕の名前はミッケ。こっちはドードーのドドだよ」

「ドードーは、単にドードーといえばモーリシャスドードー を指す。ドードー科に属する鳥には他に二種がある。存在が報告されてから八十三年で目撃例が途絶え絶滅した。ドードー鳥と呼ばれることもある。大航海時代初期の一五〇七年にポルトガル人によって生息地のマスカリン諸島しょとうが発見された。一五九八年に八隻の艦隊かんたいを率いて航海こうかい探検たんけんを行ったオランダ人ファン・ネック提督ていとくがモーリシャス島に寄港し、出版された航海日誌によって初めてドードーの存在が公式に報告された。食用に捕獲ほかくしたものの煮込にこむと肉がかたくなるので船員達はドードーをヴァルクフォーゲルと呼んでいたが、続行した第二次探検隊はドードーの肉を保存用の食糧しょくりょうとして塩漬けにするなど重宝し、以降いこうは入植者による成鳥の捕食ほしょくが常態化した。侵入してきた人間による乱獲らんかくと人間が持ち込んだ従来モーリシャス島に存在しなかったイヌやブタ、ネズミなどにひなや卵が捕食され、さらに森林の開発により生息地が減少し、急速に個体数が減少した。オランダ・イギリス・イタリア・ドイツとヨーロッパ各地で見世物にされていた個体はすべて死に絶え、野生のドードーは一六八一年のイギリス人ベンジャミン・ハリーの目撃もくげきを最後に、姿を消し、絶滅ぜつめつした。ドードーは、イギリス人の博物学者ジョン・トラデスカントの死後、唯一ゆいいつ剥製はくせいが一六八三年にオックスフォードのアシュモレアン博物館に収蔵されたが、管理状態の悪さから一七五五年に焼却しょうきゃく処分しょぶんされてしまい、標本は頭部、足などのごくわずかな断片的なものしか残されていない。特異とくいな形態に分類項目が議論されており、短足なダチョウ、ハゲタカ、ペンギン、シギ、ついにはトキの仲間という説も出ていたが、最も有力なものはハト目に属するとの説であった。複数の研究から、現存する最もきんえんな種はミノバトと示唆しさされている。シチメンチョウよりも大きな巨体きょたいつばさが退化しており、飛ぶことはできなかった。尾羽おばねはほとんど退化しており、脆弱ぜいじゃくな長羽が数枚残存するに過ぎない。顔面は額の部分まで皮膚ひふ裸出らしゅつしている。空を飛べず、巣は地面に作ったと言う記録がある。植物食性で果実や木の実などを主食にしていたとされる。また、モーリシャスにある樹木、タンバラコクと共生関係にあったとする説があり、一九七七年に『サイエンス』誌にレポートがっている。内容は、その樹木の種子をドードーが食べることで、包んでいるあつさ一センチメートルものかたい核が消化器官で消化され、ふんと共に排出される種子は発芽はつがしやすい状態になっていることから、繁茂はんもの一助と為していたというものであった。証明実験としてガチョウやシチメンチョウにその果実を食べさせたところ、排出はいしゅつされた種子に芽吹めぶきが確認された記述もあった。タンバラコクは絶滅の危機とされ、一九七〇年代の観測で老木ろうぼくが十数本、実生の若木は一本とされる。ただし、この説は論文に対照実験の結果が示されていないことや、『サイエンス』誌の査読が厳密ではなかったと推測する人もおり、それらの要因から異論をとなえる専門家も存在する」

「よドドしく!」

ミッケとドドはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「一緒に暮らしているんだね!じゃあ、ボクたちも自己紹介しようか!」

「僕は、空の国から来た名波響樹。そちらは、パートナーのチララだ」

「ちゅぴ!」

「僕の名前は、風間健太。こちらがパートナーのナツだよ」

「よろしくね!」

「私は、桃宮ももみやサクラ!こっちはパートナーのラビカよ!」

「どうも!」

「うちはプロの料理人、飯塚いいづか大輔だいすけや!ほな、ダイ大将と呼んでや!」

ヒビキたちも自己紹介した。

「君も、選ばれし戦士なの?」

「そう!」

ミッケはヒビキたちに自分も選ばれし戦士だと明かすと、

「ちょっとついてきて!」

と、ある場所へと連れていく。

「ここだよ!」

「プテラノドンの化石が埋まっている!」

「プテラノドンは、翼指よくしりゅう亜目あもく- オルニトケイルス上科- プテラノドン科に分類するのが一般的いっぱんてきだが、オルニトケイルス上科をオルニトケイルス亜目として翼指竜亜目と区別する説もある。多くの化石は北アメリカのカンザス州、アラバマ州、ネブラスカ州、ワイオミング州、サウスダコタ州で発見される。日本の北海道でも断片が見つかっている事から、本属またはごんえんしゅ広範囲こうはんいに分布していたと推測されている。恐竜、翼竜をテーマにした小説や漫画、映画などによく登場しており、一般に最もよく知られている翼竜の一つであり、代表的かつ象徴的な存在である。代表種の一つだった P.sternbergiがゲオステルンベルギア Geosternbergiaという独立属になった為、現在は P. longiceps 一種のみで知られている。翼開長はロンギケプス種で約七メートル、ステルンベルギ種では約九メートルもの大きさになるが、揚力をき出すための翼は羽毛ではなく皮膚と同じ組織でできている、膜状まくじょうの翼である皮翼で、骨格こっかくはいたって軽量な構造体となっている。推定体重は約十七キログラムと中型犬と同程度でしかなく、力強く羽ばたくために必要な筋肉量きんにくりょうを付着させ得る骨表面のスペースは鳥類ほど多くない。それゆえに、昔の映画でしばしば描写びょうしゃされたような、人間を鷲掴わしづかみにして空中にい上がるだけの力は無かったと考えられる。同様に、こうの構造に大きな動物を押さえ込むような力強さがあったようには見えず、地上での移動に際して前肢の三本指とともに四つ足歩行をするのに用いられる程度ていどのものだったと推測される。これで人間ほどの重量のある物体をり上げる事は、困難である。後頭部にある骨性の長大なトサカには、飛翔中、気流の中で首の付け根を支点としてくちばしとの均衡きんこうをとり、わずかな力で嘴を動かせるようにする・求愛きゅうあいディスプレイや、同族間の識別などの用途があったと推測されている。 しかし、性差によりめすはこれを欠くともされ、もしそうであれば前出の推論も一部はあやしいことになる。また、ロンギケプス種が上の嘴からトサカの先まで直線的であるのに対し、ステルンベルギ種のトサカはおののようで頭頂に向けて突き出しているなど、トサカの形状は種によって大きな差異が見られ、分類の基準の一つになっている。多少は羽ばたいたと推測されるが、基本的には筋力をあまり使わず、空気の流れに乗ってグライダーのように滑空かっくうし、陸地から百キロメートルもはなれた海上へ飛んでいけたと考えられる。飛翔による大きなエネルギー代謝を維持するため、恒温性こうおんせいで、ランフォリンクス科のソルデスに見られるような体毛が、プテラノドンにもあったと推測される。また、現在の海鳥の多くがそうであるように、水中の魚類に気付かれぬよう、体毛が白色だった可能性がある。なお、化石に残ったソルデスの体毛は羽毛に近いとされるが、細い針状はりじょううろこだった可能性もある。プテラノドンは魚食性である。が納まっていたと推測される位置から多くの魚の化石が発見された個体もいくつかある。彼らは風に乗って滑空しながら水面近くを飛び、長い嘴を水中に挿し入れて魚を捕食していたとされる。下の嘴には袋状の皮膜を具えており、捕食行動の際、飛び込んできた獲物をここで捕らえ、あるいはたくわえることができたと考えられている。同じ白亜紀後期の古生物ということで、プテラノドンと例えばティラノサウルスなどは同時期に生息していたかのような描写が、専門的でない書物などで散見される。しかし少なくとも化石の発見例から、これは間違まちがいである。プテラノドンが生きたのはカンパニア期までであって、同紀末期にあたるマーストリヒト期での生息は正式に確認されていない。更にティラノサウルスにいたっては、約六千八万万 - 約六千五百万年前とマーストリヒト期でも最末期のわずか約三百万年を生きたに過ぎない。プテラノドンの生息の証拠しょうこが確認できなくなる時期、つまり絶滅したとされる時期と、ティラノサウルスの最も早期の発見例の間には、約六百万年の時間的差異があることになる。大絶滅期前夜の時代、ティラノサウルスがいた北アメリカの空はすでにおおかた鳥類のものとなっており、多様性を減衰げんすいさせた翼竜はケツァルコアトルス等のアズダルコ科などの限られたものしかいなかったというのが、現在の定説である。プテラノドン自体は白亜紀末期に生息した証拠がないが、比較的ひかくてきごんえんとされるニクトサウルスはマーストリヒト期の生息とされる」

そこは、プテラノドンの化石が埋まっている場所だった。

「ミッケ、お願いがある」

「ここは、時空のかなたから現れた魔王まおうによって狙われている。そこで、僕たちと一緒に冒険ぼうけんの旅に出てほしい!」

ヒビキとチララは、ミッケにこんなお願いをすると、

「ありがとう!」

「これからもよドドしく!」

「こちらこそよろしく!」

と、ミッケとドドがヒビキたちの仲間になった。

 その後、

「ただいま!」

「おかえりなさい」

ヒビキたちは、ミッケとドドを連れてトリップ号にもどってきた。

「ミッケにも、あれを支給しなきゃね」

「うん!」

すると、リアはミッケにスマートフォンと道具セットを支給した。

「これは、どうやって使うの?」

「私に任せて!」

ミッケには、スマートフォンに使い方ガイドのアプリがインストールされている。

「次の目的地が見えてきたぞ!」

「そこは?」

「バンブーの森だ!」

「竹林となっているわ!」

「準備はいいか?」

「はい!」

「さあ、出発だ!」

ヒビキたちを乗せたトリップ号は、バンブーの森へと飛び立っていった。

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