第4話 優しく洗ってェ……✨🥺✨✨

 慌てて、レジへ行き会計を済ませた。


 コンビニから出ると、刺すような真夏の日差しが眩しい。


 とても日光浴を楽しむような日差しではない。一瞬で、肌が焼け焦げるようだ。

 強烈な紫外線が降り注いでいた。


 そこかしこからわずらわしいほど、セミの鳴き声が響いてくる。



「キャァーーッ! 暑ッついィ……😫💦

 アリス泣きそォォ〜ーー……!!」

 堪らず美少女は悲鳴を上げた。



「うン……😓💦」

 彼女の言うとおりだ。小さくうなずいた。

 泣きたいのはボクも同感だ。ボクもアリスも肌が白いので日焼けすると真っ赤になり、下手をするとヤケドをしたようになる。

  


 シミやシワの元になるので真夏の紫外線は、美容には大敵だ。

 特に美少女のアリスには百害あって一利もない。


 毎年のように平均気温が上昇し、異常気象が叫ばれている。なのに、なかなか地球温暖化に歯止めが掛からない。

 


 コンビニの店内との温度差に目眩めまいがしてきそうだ。

 連日、日中の気温は四十度近い。


 短時間でも屋外にいるだけで、熱中症で倒れそうだ。



「さァ、早く帰ろォ……✨🤗✨✨」優しくアリスに手を差し伸べた。


 『暑い』と文句を言っても涼しくなるワケではない。

 急げば、家まで3分と掛からないだろう。


「じゃァ、おんぶしてェ……✨🤗✨💕」

 アリスは、可愛らしく両手を差し出してボクに甘えてくる。



「出来るかァー!! この暑ッ苦しいのに、おんぶなんか!!」

 ただでさえ茹だるように暑いと言うのに。


 帰り道は日陰もほとんどない。熱せられたアスファルトからはユラユラと陽炎カゲロウが立ちのぼっていく。



 ほんの数分歩いただけなのに家へ到着すると汗で、ぐっしょりだ。



「キャッキャッ✨🤪✨💕 暑ッつい……」

 だがアリスは、玄関を開けるなり室内へ駆け込んでいった。

 まったく天真爛漫な美少女だ。


 しかしそんな無邪気な姿も可愛らしい。


「キャッキャッキャァァ✨😜✨✨✨」

 勝手知ったる他人の家と言った所だろうか。後ろから見ると、プリプリとした桃尻がキュートだ。



「おいおい!! まったく症二しょーに病患者か。アリスは!! そんなに家の中をピョンピョン走り回るな!!

 ただでさえ暑っ苦しいンだからァ!!」

 まるで、年端のいかない子どもを注意するようだ。



 しかしボクは男兄弟の兄貴しかいないので可愛らしい妹ができたみたいで嬉しい。



「フッフフ……✨🤭✨✨」

 自然に笑みがこぼれた。


 室内はエアコンが効いているので、結構 涼しく感じた。



「ふうゥ……✨😔✨✨」

 リビングのソファに腰掛け、ようやくひと息ついた。

 アイスコーヒーでも飲もうか。

 真夏は、少なくとも一日で5、6杯はアイスコーヒーを飲んでいる。

 


「ラッキー✨🤩✨ スイーツがある!!」

 ひと足早くアリスはキッチンへ行き、勝手に冷蔵庫を開け中身を取り出していた。



「おいおい、それはボクのスイーツだよ」

 昨日買って楽しみに取っておいたスイーツだ。

 今日のオヤツに食べようとしたのに。



「構わないわ。ルーのスイーツは、アリスのモノだから……✨🤩✨✨」

 リビングのテーブルに置き、食べる気満々だ。



「なんだよ……。そのジャ○アン的なモノの考え方はッ!!

 ワガママ放題のひとりッ子か!!

 とにかく手を洗えよ!!」

 まだ新型感染症コロナが流行する前のことだ。


 それでも外から帰って来たら、手を洗った方が衛生的に良いだろう。



「じゃァ、一緒に、お風呂に入って洗って」

 また甘えて両手を差し出した。


「いやいや、子どもか!! 手ぐらい一人で洗えよ!!」

 まったく世話の掛かる美少女だ。


「初めてだから、乱暴にしないで優しく洗ってねえェ……✨🥺✨✨」


「だから、一人で洗えッて!!」


「だって、アリスはルーなしにはいられない身体にされちゃったのよォ……✨😔✨✨」


「なッ、なんにもしてないだろォ!!

 誤解を招くような変なことを言うなよ」

 まったく、これから先が思いやられる。



「ねえェ……✨🤭✨✨ そう言えばルーの部屋、大きいよねェ」



「えェ……? まァ、小さくはないけど」

 二階に、十二畳くらいある。

 ボク一人で住むには充分な広さだ。

 


「じゃァ、当分の間、ホームステイできるわねェ……✨😜✨✨💕」


「え……、ホームステイ?!」


「そうだよ。宜しくねえェ……✨🤗✨✨」

 アリスは可愛らしく抱きついてきた。



「いやいやァ……😳💦 宜しくッてェ」







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