まるで、喫茶店で隣の席のおしゃべりを聞いてるみたい。
しかも、その席は、なにやらワイワイと盛り上がっていて、楽しそう……。
本作に抱いた、私の印象です。
「社会学」という耳なじみのないワードで敬遠するのはもったいない!
老若男女問わず、誰しも抱える悩みへのヒントが、本作には散りばめられているのですから!
また、登場人物たちが、一人一人、背負っているテーマがあるのも奥深いです。
どの人物も共感しやすいテーマなので、「わかる、わかる!」とうなずきたくなりました。
となると、もう、彼らの隣の席に座りたくなってしまうもので。
思わず言ってしまうのです。
「ちょっと、お隣の席に座ってもいいですか?」と。
社会学というのは本来社会科学の一分野であってエビデンスが必要。だから統計も取るしそのためにSPSSなどで分析する。量的調査も質的調査も行う。それが社会学の中核部分である。だから社会調査士という資格が取れる(修士だと専門社会調査士になる)
しかしそれはまだ本作品の未執筆部分である。まだウエーバーとかデュルケムとか構造機能主義とか社会学の基本中の基本の部分を執筆してるが社会学がなんで世に必要とされているのかというと「社会統計」の学問だからだ。つまり本番はこれからなのである。国家の基礎統計を担うのが社会学なんだね。
だから途中で読むのを辞めないでほしい。
※本レビューは2023年1月26日に執筆したものです。