第56話 引っ越し

結局、旦那との話し合いの結果

離婚にはならないけど別居することになった


ユウスケのせいだとは思いたくない

そんなの悔しい

でも、ユウスケがきっかけではある


私はずっとこの家から出たかったんだと思う

自分の家なのに一度も自分の家だと思ったことがない

お金は私達が出しているのに、いつも他人の家にいるようだった

いつも家に帰りたくなかったし、家にいても本当の意味で安らぐことはなかった


でも、嫁姑問題でリタイアしたんだって思われたくなかったし自分が負けたみたいで嫌だった

だから

今は仲良く話せるようにまでなったし、ちゃんと意見も言えるようになったし、お願いも出来るようになった

だけど、ずっとどこか自分に無理はしていた

嫁姑問題を乗り越えた自分でいたかったし

良い嫁でになりたかった

でも叶わなかった

本当は今まで一緒にいてイジメられたことをまだ許せてはいないし、どこか恨み節もある

そして、何よりあと10年後に老後の世話だけは絶対に嫌だって思った

そしたら…


今だ!!


って思ったから…。

引っ越しをした。

でも、ユウスケとちゃんと付き合おうと思った時から

あらゆる自分をゆるし始めたし

自分のやりたいようにやってみることができたし

あらゆる可能性を見つけ始めたのは確か…


死んだように生きていた日々から救い出してくれたのはユウスケなのかもしれない

私の可能性を見つけるきっかけを作ってくれた

ユウスケはそんなことを一言も言ったり自覚はない

だってユウスケは自分さえ良ければ良い人だから

私の本当の幸せとかなんて一生思いつかないし考えるという概念は無いんじゃないのかな…


いるんだよ一定数そういう人が

自分しか愛せない人がいるんだよ

人の愛を搾取して、与えることのできない人が一定数いるんだよ

与えても与えても愛を欲しい欲しいってなるから、こっちは虚しくなる

こんなに与えても愛されてる実感さえしてくれない

まだ足りない、まだ足りないってなる

こっちは貰えてないのにね…


とてもキツイけど

ユウスケの存在が無かったら、私は今も死んだように生きていたんだと思う


何もかもが新鮮だけど、何もかもが大変

勿論、ユウスケは物理的にも精神的にも助けてはくれない

むしろ、覆いかぶさって奪い取るから…


生きている実感はするけど

苦しいな…

今度はいつまで、私はもつのかなぁ…

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