第27話 心の奥の怒りと悲しみ

今日は久しぶりに昼間のデートだ

なんか、ソワソワする

私、きっと今、嬉しいんだ


いつも夜が多いから

いつもユウスケだけがイッて終わりだし

私の車の中で口でしてあげて終わることが多いから


「おっ。」

軽く挨拶して私の車に乗り込む

車のオーディオをイジる

お互いミスチルが好き

それは唯一共通しているアーティストのグループだ

それ以外は私はサブカルだし 

ユウスケはマニアック過ぎて

合わない


ザッピングしてEXILEの曲を見つけ

「え?こういうの聴くんだっけ?意外。」

「そんなことないよ。聴くよ。」

嘘だ。旦那のために入れた曲だ。

でも、何故かこうやってどうでも良い嘘をついてしまう

旦那の影を見せたくなかったからじゃない

私を知ってる風に言われたのが嫌だった

どこかでいつもユウスケの事を怒っているのかも知れない

「もっと私を見て!もっと知ってよ!」

って、

暴力にも似た強い感情が奥の方に潜んでいる


あてもなくドライブをして、ホテルに行く


ホテル代もコンビニ代もいつも私が支払う

支払ってくれたのって、

ツケの時のホテル代と新幹線代だけ

あとはいつも私だ

お金に余裕がある訳じゃないけど

「財布忘れた」

「持ち合わせないや」

と、いつも苦し紛れの言い訳をするから

見ていられなくなる


そう言えば…

友達と一緒に行ったアタルで有名な占い師のところに行った時に言われたっけ

「この人はあなたの事お金としてみている。あなたお金のかからない人でしょ?むしろ貢いじゃってる?この人とは離れた方が良いよ。」

言い当てられてズキっとした

分かってる、分かってる、分かってるんだよ…

でもさ、どうしょうもないんだよ…

この「どうしょうもない」の感情が

好きでなのか

何かの代わりなのか

執着なのか

組み込まれてしまった反応なのか

もはや自分でも分からなくなっている

ただ、いつも思っている


このままじゃ駄目だ…


そして、それはついにきた


最近、なんだかずっと気持ち悪い

生理が全くきてない…

もの凄い恐怖と闘いながら検査する


陽性…

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