第18話 嫁と姑と男達
なんだかんだで、女の影がたくさんあった旦那。
色々と清算するのに時間はかかった。
これで…
私は安心して幸せな結婚生活を手に入れた
と言うことになるのだろう
そう、私の思い描いていた
「普通の幸せのある家庭」
は、築けそうだ
条件は当てはまっている
こうやって、頭で考える。
安心したくて…
結婚すると、
義理両親の口出しや希望が増えていく…
新居のアパートに突然、荷物が届く。
カーテンだ。
「まただ…」
義母が色々と勝手に決めて送ってくる。
こないだも、突然来て、買い物に連れて行かれ、カートの中に物をバンバン入れてレジに並んで買わされた。
新居生活に必要な物だそうだ。
勿論、義母のセレクトだし義母の考えのみで、私や私達がどうしたいかだなんて考える余白は全く持ち合わせていない
意地悪というよりとてもデリカシーのない人。
そして、旦那と義母の二人でレイアウトしてる
「モエさんは自分の荷物の片付けがあるでしょ?そっちを先にやりなさい。」
と、言われなんか腑に落ちないと思いつつ
まっ、いいかぁ…。仕方がない。
と、何か出てきそうな自分をギュッと押し込み縛り付ける。
色々と付き合ってきて分かったことがある
どうやらこの家庭は義母中心に回っている。
女王様が君臨している
私は王子の世話役の家来として迎えられたのだろう
何でも言うことを聞く、金を持ってくる都合の良い家来、そして、跡継ぎを作る人
義母は、私といる時だけ更に厳しい
「私の目の黒いうちは私のやり方に従ってもらいますからね」
「もう少し目上の人(私達)を尊敬して振る舞いなさい」
「アナタが出来ないのは勝手だけど、それで息子に変な噂やレッテルがついたらどうしてくれるの。」
「仕事とか関係ありません。どんな理由であれ家のことは妻であるあなたの全部責任です」
何かが少しずつジワリジワリと蝕んでいく。
旦那に相談しても信じてもらえない。
「モエとお母さんの関係でしょ。俺、関係ないよ。」
全く取り合ってくれない。
心身ともに弱くなっていく私
ついに仕事から帰って高熱で倒れてしまった
呼吸が出来ない、苦しい、そして痛い
怖い、辛い…
旦那に電話する
「今、ちょっと忙しいから無理。」
駄目だ…
タクシーを呼んで救急に行く
急性肺炎
だそうだ。数日入院。
退院後、夜中にまたあの苦しさと痛みが襲ってくるんじゃないかと思って怖くなる
久しぶりにユウスケにメールする
「死んじゃう?!って思ったことある?」
すぐに返ってくる
「こないだ思った。軽い脳出血で倒れた。」
えっ?!私の比じゃない…。
良い意味で、いつも、軽く私を超えてくる。
何回かやり取りして私の不安は確実に消えていった。
あぁ、なんか落ち着くんだよね。
特に何もしている訳じゃないし、
もう、あの時みたいな恋い焦がれる気持ちもない。
一瞬しか一緒にいなかったのに、なんか長い間一緒にいたみたいな変な感じがある
「ありがとう。救われた。」
「いつでもどうぞ。」
そんなやり取りで終わる。
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