第15話 二股

それから私は尾崎先生にのめり込んでいった

いつの間にか尾崎先生の部屋に上がり込んで半同棲生活をしている


でも1つ気になることがある

毎晩、同じ時間に電話がなって

そのまま

「ちょっとコンビニ行ってくるわ〜」

って言って、しばらく帰ってこない


あんまり小さなことは気にしない

気にしない…

気にしない…

気にしない…??


尾崎先生がお風呂に入ってる時にいつもの電話がなった…

電話の主の名前を初めて見た

ナツミ…

そっかぁ。ナツミちゃんかぁ。やっぱり、女だったんだね…。


「電話鳴ってたよー」

「あ〜」

電話を見てまたコンビニに行く

いやっ。。。

ナツミちゃんに電話をしに行く。


それから何日も過ぎて 

私の落ち込みは嘘がつけなくて

ユウスケに電話してしまう

「久しぶりー。どうした?俺とつき合う気持ちになった??」

いつもの軽い調子になんかホッとしてしまう

「違うよー。新しい彼氏とうまく行かなくてー」

「じゃぁ、俺にすればいいじゃん!」

「なんでだよ〜」

そんなしょうもない会話を続ける

なんにも解決してないけど、心が軽くなる

ユウスケとはこの距離感がベストなのかもしれない。。。

あぁ〜。なんか会いたい。



尾崎先生とナツミちゃんの関係を知りたい。。。

その感情がおさまらなかった


携帯をそっと開ける…

「ごめんなさい。ちょっとだけ…」

そんな、出来心と言う名の確信犯で携帯メールを覗く


「なんで連絡くれないの?」

「今度会うときまで痩せるように今、頑張ってるんだよ〜」

「ウチラもう4年になるけど寂しいよ〜」

「会いたいよ。いつまで待てばいい?」

「じゃあ、次の日曜日ね。分かった。行くね。」

ナツミちゃんの愛の悲痛なメールがたくさんきていた。

これはさ…。二股なんだね。。

そして、今度の日曜日に会うんだね


日曜日、笑顔で送り出す

私はミユキと海に行く

1日プカプカ浮いて過ごす


その夜にいつもよりも濃厚なセックスをする

そして、別れを告げられる


えっ??どういうこと?元サヤにいくの??


「今は誰とも付き合いたくないんだ。」

「え?どういうこと?」

「一人になって頭を冷やしたい。それと、モエの気持ちが重いからいったん距離を置きたい。」


なんか、笑えてきて

思わず笑ってしまった

「え?嫌だよ。じゃあさ、私が嫌いになったら出ていくよ。それでも良い?」

「えー?よく分かんないんだけど。俺、好きじゃないよ。」

「うん。いいよ。私は好きだから、嫌いにしてくれていいよ。」

「よく分かんないけど、わかったよ。好きにすればいいよ。」

「うん。そうする。」


そんな不安定な関係性での半同棲生活が継続する

その日からセックスはするけどキスをしてくれなくなった


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