エピソード3

問3 優しくするのはキミにだけ?




「せきかわさん、今度入ってきた女騎士ちゃん、すごく可愛い感じじゃないですか?」


 と聞いてきたのは一つ年下の魔女の子。


「そうかな? あんまり気にしたことなかったけど」


「髪型とか服装とか、せきかわさんの好みなんじゃないですか?」


「うーん、そんな風に思ったことはないけどなぁ」


「本当ですか? なんか女騎士ちゃん、いっつもせきかわさんの後ろにくっついてるし」


「まぁこれでも勇者だからねぇ」


 と、急にジトッと上目遣いで睨まれた。



「でも女騎士ちゃんには特に優しくないですか?」


「そうかな? キミが入って来た時もなるべく優しくしてたつもりだったんだけど……違った?」




「違ってないですけど……どうやらあたし、自分が特別だと勘違いしてたみたいです」


「……」




「せきかわさん、聞いてました?」


「ん? あ、あぁ……」


 これは多分大事な二択。


 ボクは一呼吸して――

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