第170話 葵の上奇譚/物語の栞 2

・栞が長いですが、後書きに小話もついています☆


※原作小説の登場人物は、年齢や設定がズレている場合がほとんどです。


■葵の上奇譚in内裏の後宮、その他の地図は、作品情報の所からも飛べます。


 ・後宮➡https://kakuyomu.jp/users/momeaigase/news/16817139558960595439


 ・内裏➡https://kakuyomu.jp/users/momeaigase/news/16817139558960281935


 ・大内裏➡https://kakuyomu.jp/users/momeaigase/news/16817139558960326028





■登場人物一覧


・葵の上(葵の君)→転生した葵と中身が入れ替わった12歳、左大臣の娘で臣下の最高位、摂関家の姫君。母は今上(帝)の妹。見た目は14才くらいの平安時代では花も盛りのお年頃の姫君。後宮では尚侍ないしのかみとして、登華殿とうかでんに住んでいる。宇治の別邸と絹雲母の出る鉱山を所有し、大人気商品“絹白粉”の開発でかなりの個人資産を持っている。


中務卿なかつかさきょう→オリキャラ。先帝の皇子だった。三条の大宮の命の恩人で、腹違いの兄弟。現在は中務卿。29歳。本名は源将仁みなもとのまさひと。臣下の中では最高額に迫る食封(給料)を稼いでいる正三位の公卿。館を魔改造している。(西の対は増設して弓道場に、東の対は他の武道場に使用している。)


三条さんじょう大宮おおみや→先帝の皇女で女三の宮だった葵の上の母。左大臣の正室。“日の元に舞い降りた輝ける内親王”と呼ばれていた美貌の母君。29歳。帝には『わたくしの女三宮』と呼ばれている。


・左大臣→葵の上の父親。妻をこよなく愛する趣味人。良くも悪くも良家の御子息。(原作とは違い、母君だけを尊んで愛している普通の平安人)


頭中将とうのちゅうじょう→葵の上の兄。四位。(元、蔵人少将くろうどのしょうしょう15歳。北の方は、右大臣家の四の君。頭中将とうのちゅうじょうとなり、蔵人所くろうどどころの別当の地位と近衛府このえふの次官を兼任するはずが、どちらも上がつかえているので、頭中将とうのちゅうじょうの名と、四位の地位を受けたものの、仕事はいままでとほぼ変わらず。このお話の中では、キノコにやたら詳しい。


・関白→オリキャラ。葵の上の祖父。63歳。半分棺桶に足を突っ込んでいたところを、葵の上に助けられた、唯我独尊の歴代でもトップクラスに有能な摂関家の当主で琵琶の名手。六条御息所ろくじょうのみやすどころの義理の父親。国につぐ私的荘園や鉱山を抱え、輸出も一手に担っている国内一の大富豪。現代でいえば、世界の大富豪TOP3に入るくらいのセレブ。


・東宮→朱雀すざくの君/第一皇子/後の朱雀帝→11歳。襲芳舎(雷鳴の壺)に住んでいる。


弘徽殿女御こきでんのにょうご→第一皇子の母。右大臣の娘。ストレスが溜まると桧扇を投げる。第一皇子以外に内親王が二人いる。


・光る君(第二皇子/光源氏)→8歳。この年で原作の節操のない女たらしの鱗片がうかがえる、原作同様に美しい顔立ちで、才能を芸術系に全振りした美少年。


桐壺帝きりつぼてい→ 第一皇子と第二皇子(光る君)の父。帝。今上。煮え切らない性格。超シスコン。


桐壺更衣きりつぼのこうい/桐壺御息所きりつぼのみやすどころ/故人→光る君(第二皇子/光源氏)の母、桐壺帝の最愛の女性。


・右大臣→弘徽殿女御の父親で第一皇子の外祖父。髪がつけ毛なしでは結えなくなるくらい気苦労している。


六条御息所ろくじょうのみやすどころ→18歳。元東宮妃の未亡人。関白の義理の娘になった。


秋好姫宮あきこのむひめみや→4歳。六条御息所の娘で、葵の君に瓜二つな第一皇子の婚約者。


朧月夜おぼろづきよの君→4歳。左大臣の義理の娘になった葵の義理の妹。元、右大臣家の六の君で、第一皇子の婚約者。


刈安守かりやすのかみ→オリキャラ。宮中の医局長、典薬頭てんやくのかみでもある。大猿事件では「頭のネジが落っこちているんじゃないか?」と、葵の上に思われたサイコな漢方医。妹君だけを溺愛している。


つるばみの君→22歳。刈安守かりやすのかみの病弱な妹君。葵の上の大ファン。実はもう死人。


煤竹すすたけ法師→オリキャラ。修行のし過ぎと刈安守との出会いで、完全に精神的に壊れてしまった『よみがえりの呪法』を習得した陰気な破戒僧。


蔵人所くろうどどころの別当→オリキャラ。一瞬、白拍子しらびょうし(男装の舞姫)かと思われるような、甘い顔立ちの男君。蔵人少将の元カレと誤解されたり、色々と本人にとっては不本意なうわさされている。東宮に武芸を教えている。名前は春嗣はるつぐ


皇后宮職こうごうぐうしきの別当→オリキャラ。常に胃を痛めている真面目で小心者の男。貞観殿じょうがんでんに勤務。一応は葵の君の上司。名前は紘之ひろゆき


猩緋しょうひ→オリキャラ。中務卿なかつかさきょうの家人、執事のような立ち位置ながら、人手不足なため、色々なことをしている苦労人。どケチ。


検非違使けびいしの別当→オリキャラ。実質的な武官のトップを務めている。女童めわら事件の担当者。妹君がひとりいる。名前は忠景ただかげ


・夕顔→このお話では、女童めわら事件の被害者の姉君の設定。中務卿なかつかさきょうのやかたの側づかえの女房。


・中納言→オリキャラ。太政官の公卿のひとり。21才の長女を筆頭に7人の子沢山。


・参議→オリキャラ。中納言の同僚の少納言。妻が妊娠中の愛妻家。


千歳ちとせ→オリキャラ。朱雀の君の乳兄弟。


 *


真白陰陽師ましろのおんみょうじたち。オリキャラ。


“壱”→優しくて温厚なリーダー。


“弐”→22歳、買い物大好きで、割と軽い性格。料理が上手。牟婁むろ(和歌山)で、温泉に入ったことがある。


“参”→囲碁が得意、山奥の出身で、キノコや生き物にも詳しい。神祇官にツテを持つ男。


“四”→五の教育係、突然変異蜜柑を育てる野望を持つ。割と腹黒く、朝に強く夜に弱い。


“伍”→16歳、一番後輩。京の出身の都会の子。


“六”→一番の実力者、アルビノの19歳。一人暮らし。


“壱”~“伍”までは、シェアハウスしてます。


■その他覚書


※登場したオリジナル宝物


深緋こきひ→穂先(刃の部分)は二尺(約60cm)、金細工の精巧な鞘(さや)に収められている、全長一丈(十尺/約3m)の大槍、槍なのに三位のくらいを持っている。


螺鈿らでんの君→葵の君のこと、7オクターブの音域を軽々と出す、付喪神つくもがみのパイパー妖怪楽器、ことなのに、この子も三位のくらいを持っている。


※官位の設定→中務卿なかつかさきょう/正三位+元皇子ブランド>>葵の上/従三位+摂関家の姫=深緋こきひ・螺鈿の君/三位(名誉職的地位)となっています。(本来は、正三位と従三位の二種類だけです。)


天藍てんらんの君→たまにお話に出てくる関白の琵琶(付喪神だけど、出番がほとんどないので、ほぼ寝てます)


 *


■たぶん本編とは関係のない小話/東宮の婚約(帝は喪中? ふて寝中? なので、関白と右大臣が取り仕切っている。)


朧月夜おぼろづきよの君と秋好姫宮あきこのむひめみやが年明け早々に弘徽殿で東宮と婚約の儀式をしました。(弘→弘徽殿女御/東→東宮)


弘「あらあら、ふたりともなんて愛らしい……」袴着を終えたばかりの二人の姫君は、式が終わってすぐ、内親王方と雛遊びをしている。


東「そうですね」二人とも小さすぎて実感が沸かないんだけど、秋好姫宮が葵の上と激似で、内心ビックリしてる。そして朧月夜ちゃんは、どう見ても母君に瓜ふたつだなあと思っている。


秋「ああ ねこが わたくしの ひなさまを……」とられそうになって涙目。


内親王1「そんなときは こうでしゅ!」

 

 猫が雛人形を狙ってきたので、人形が持っていた小さな檜扇を猫の近くに投げてる。それを見て摂関家の二人は固まっている。


内親王2「ははぎみは ほんもののひおうぎで こうしているのよ!」いばってる。


朧「ひおうぎは なげても よいのですか?」


東「母君、妃教育どころか、内親王の教育上、大変よろしくないと思いますので……」


弘「そうね、もうやめるわ……」珍しく反省している女御でした。

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