異世界転生6周した僕にダンジョン攻略は生ぬるい ~異世界で千のスキルをマスターした男、もう疲れたので現代でお金貯めて隠居したい~
第466話 【ナグモ隊その7】襲い来る6番! 応戦する南雲隊の底力!! 異世界・ゴラスペ第一砦
第466話 【ナグモ隊その7】襲い来る6番! 応戦する南雲隊の底力!! 異世界・ゴラスペ第一砦
異世界・ゴラスペで陽動役を引き受けていた南雲隊。
だが、逆神六駆の腹痛と小坂莉子の恋愛至上主義によって、最強のカードと準最強のカードが一気になくなった。
眼前には、6番姫島幽星が率いる戦車部隊。
急に絶体絶命のピンチに叩き落された彼らに活路はあるのか。
南雲修一はどうにか冷静さを取り戻していた。
ひとまず、戦車を処理しなければならないと考える。
六駆ならまだしも、現在の南雲隊が戦車による砲撃を受けたらひとたまりもない。
「椎名くん!」
「あいあいにゃー!! とっくに準備できてるぞなー!!」
異世界に来ると輝きを増す、椎名クララAランク探索員。
彼女はいつの間にか銀弓ディアーナを構えて、
「椎名くんはさ、その判断力をどうして大学生活で発揮できないのかな?」
「わたくし、男の方とこんなに意見が一致したのは初めてですわ」
「みみみっ! クララ先輩! 前方、2時の方角から強めの
「了解だにゃー! 『
実はクララ、この作戦の前にサイコパス狙撃手でお馴染み、雲谷陽介Aランク探索員の元を訪れ「なんか攻撃力の高いスキル教えてくださいにゃー」と指導を仰いでいた。
雲谷は雨宮上級監察官室に所属している。
つまり、協会本部における最上位グループの一員。
「ふ、ふふっ。じゃあ、とっておきのヤツ教えてあげるよ。これはね、属性盛りまくって、ついでに光線スキルだから貫通力も抜群。敵の軍事兵器をぶっ壊すと、ははっ、気持ちいいんだよねぇー」
最近見かけない彼だが、キャラはブレていない。
なんだか凶悪なスキルをクララに教え込んでいた。
クララもカルケルにおける作戦で01番と組んだ際、レーザー光線を連射した快感を忘れられずにいたため、マジメに修行して瞬く間に習得へと至る。
やる気があれば優秀などら猫先輩。
ただし、やる気を引き出すまでが大変なのである。
「クララさん……。なんだかそのスキル、莉子さんの『
「にゃっはっはー! ちょっぴり意識してるぞなー! うにゃー! 2個目を撃破ー!!」
「一応確認しますけれど、今って回復役の六駆さんがおられませんわよね? かなり
「……うにゃー。
椎名クララの輝く時間が終わった。
だが、4機の戦車のうち半数を破壊した彼女の功績は結構大きい。
「充分だ、椎名くん! あとは私が出よう! ……あれ? 木原くんはどこ行ったの?」
今回の作戦では、隊員が度々行方不明になる。
その度に胸と尻の穴がキュッとなる南雲修一。
その頃、芽衣は「みみみみみみっ!」と鳴きながら『
そのまま彼女は砲門に取りつき、何やら工作活動をするとすぐに踵を返す。
仕上げに少し距離を取ってから「ばーか! みみみっ!!」と舌を出した。
幼い少女に砲弾を命中させられずに、挙句煽られた戦車部隊は「くそっ! デカいのを喰らわせろ!!」と躍起になった。
次の瞬間、残った戦車が大爆発を起こした。
「みみみぃっ!! 計画通りです! みみみみっ!!」
「おおー! 芽衣ちゃんもやるぞなー!!」
クララと芽衣はハイタッチを交わす。
だが、事情が呑み込めない南雲と小鳩の常識人コンビ。
浮遊しているサーベイランスに聞いてみた。
「山根くん。何がどうなったの?」
『いやー。こっちでも把握できてないっすね。木原さんの新スキルじゃないっすか?』
結局、南雲は芽衣に直接質問をした。
「木原くん。君は何をしてきたのかね?」
「みみぃ!!」
芽衣は絶賛成長中の胸を張って、ドヤ顔で答えた。
「戦車の砲門に
「ええ……。木原くん、君ぃ……。発想がもう逆神くんのそれだよ……。やっぱり、師匠の影響を受けてるよね……。木原さんには黙っておこう」
芽衣の「車のマフラーに粘土詰める」と言う昭和のヤンキーの悪質ないたずらみたいなトリックプレーで、アトミルカの最新兵器が粉々になった。
なお、構成員は全員離脱していたため、奇跡的に死者は出なかったと言う。
◆◇◆◇◆◇◆◇
燃え盛る戦車を置き去りにして、数人の屈強な男が南雲隊に近づいてきた。
その歩みには迷いがなく、先頭で率いているのは6番。
姫島幽星であった。
「くくっ。貴殿らを甘く見たことを詫びよう。女子供と侮っておったが、やる事は一流の戦士のそれよ。ゆえに、容赦はせぬぞ。者ども、かかれぃ!」
彼の連れて来たのは、3番の開発した新型プロテクターに身を包んだ2桁ナンバーたち。
ここでは絶えず戦闘訓練が行われているため、2桁とは言えそれなりの脅威となる。
その数、7人。
「おいおい! いい体した女がいるぜ!! こいつは生かして連れ帰ろう!!」
「そりゃあいいな!! なら、最初に狙うか!!」
椎名クララのナイスバディが日の目を見たのはめでたいが、相手は敵である。
どら猫は叫んだ。
「うにゃー! なんか今日はあたしのおっぱい狙われ過ぎだぞなー!! こんなことなら、ファーストおっぱいは六駆くんにあげとけば良かったにゃー!!」
「ひひっ、オレらが可愛がってやるよ! へっへっへごぉすっ」
一撃で1人目を吹き飛ばしたのは、チーム莉子の頼れるお姉さん。
槍を振るってクララのピンチを救う。
「にゃー!! 助かったぞなー! さすが小鳩さん! 頼りになるにゃー!!」
「こんなお排泄物にクララさんの胸はさしあげませんわよ!! それならば、本当に六駆さんにさしあげた方がマシですわ!!」
莉子ちゃんが聞いたら発狂しそうなやり取りを控えてもらえないだろうか。
南雲は小鳩と芽衣に雑魚の相手を任せられると判断し、自分は姫島の前に立ちふさがった。
姫島はイドクロア妖刀『
「某の相手は古龍の戦士か。先ほどの小僧はどこへ行った?」
「……彼には、別の重要任務を任せてある!!」
現世のトイレに行きました。
「つまらぬ。用意を万全にしてきたと言うのに。貴殿もそれなりにはできるだろうが、所詮は監察官。戦場から離れた男に某の相手は務まらんぞ」
「私もできれば戦いたくなかったが。逆神くんのいない今! 隊員を守るのが私の役目だ!! 全力でいかせてもらう!! 『
南雲が纏う
姫島は「ほう。少しは楽しめるか」と妖刀を構える。
「初撃で仕留めさせてもらう!! はぁぁぁ! 『
「ぬぅぅっ!? 見事な一撃……!! だがぁ! この妖刀は全てを斬る! スキルであろうとも!! 『
ナグモの放った衝撃波は姫島に一刀両断される。
彼のイドクロア妖刀は、
発現させるには大量の血液が必要になるが、姫島は普段からレバーや牡蠣などのビタミンB12を多く摂取する食事を心がけているため、貧血になる事はない。
「くっ……!
そう言うと、ナグモは【
中から現れたのは、大きな日本刀。
異世界・スカレグラーナの竜人ジェロードが、ホマッハ族直伝の鍛冶スキルと自身の血液で作り上げた古龍の戦士・ナグモ専用の武器。
その名も、大太刀『ジキラント』と言う。
「ほぅ。某と刀を交える気か? 命知らずめ。すぐに後悔させようぞ!!」
「今の
姫島とナグモ。
お互いに刃を用いた一騎打ちが始まろうとしていた。
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