第536話魔術式を組み直しゲートを繋げる
これにより第二次世界対戦は終焉を迎える事が出来たが死ぬ必要の無い大量の命が失われた。
その人工が減った穴を見逃さず、今まで狩られる側であった魔族が降ろされたはずの表舞台へと戻って来たのである。
そして現在、あんなにいがみ合っていた人間達は手を取り合う事に合意、そのまま魔族対人族との戦争が今もなお続いている。
「高島さん、まだやってたのですか?」
「ああ。 俺には水樹が到底死んだとは思えない」
「確かに生存者確認灯は今もなお点灯してはいますけど失踪して二年、流石にもう死んでいると私は思いますけどね。 生存者確認灯が光っている原因は時限の狭間にて起きた空間の一時的な切れ目に吸い込まれた事が原因による時間のズレが原因かと」
「確かに、君の言う通り水樹はもう助からないのかもしれない。 でも助かるかもしれない。 それに、水樹であろう生命を確認した」
「ほ、本当ですかっ!? 高島さんっ!?」
「ああ。 しかしかなり遠くにいるみたいだ。今まで水樹の所までゲートを繋げようと魔法陣を作っているのだがね、あと少しの所で完成しない。 まるで誰かに妨害されているかの様に」
ここまで完璧に妨害される事は無いと分かっているので別の計算式があるのだろうと試行錯誤しているのだが、逆にここまでして未だ答えに辿り着けない事に人為的な妨害では無いかと思ってしまう。
「十までは完成したのだがね、十一と十二がどうしても作れない」
あと少し、場所を確定しゲートを繋げるという術式を組み込むだけであるのにそれが出来ない事にもどかしく思う。
「あのー、私如きがしゃしゃり出るのもあれなんですが……必ず水樹の側にゲートを繋げる必要はあるのかなーと」
そんな中部下がおずおずと言った感じで意見を述べて来る。
そして俺は部下の一言を聞き、なんで今までそんな簡単な答えに気付かなかったのかと嫌になる。
いやたんに認めたくなかったというだけの意地やプライドと言った感情により視野が狭くなっていただけなのだろう。
そう自分自身を分析し終えたあと、魔術式を組み直しゲートを繋げるのであった。
◆
「全員揃ったか?」
「はい高島さん。声を掛けた二つ名付きの者達五名全て揃っております」
「そうか、全員来てくれたか。それは頼もしい限りだ」
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