第516話 彼女達が駆逐するのを待つだけ
ちなみにステファニーに至っては口を大きく開け目は見開き驚いている姿勢で固まっているのだが、おそらく自分の予想が当たっているならばこの程度でここまで驚いていては身が持たないのではと多少なりとも心配してしまう。
「分ったわよ、ほんと堅物なんだから。 そんな堅物じゃクロ様に想いを告げる日はいつになるやら」
「そうっすよねー。 愛しのクロ様からの頂きものすもんねー。 じゃあ行ってくるっす」
「だ、黙りなさいあんた達っ!! そうよっ!! 私はクロ様が好きなんですから当たり前ですっ!! わかったならさっさとあのデカブツ達を倒して来なさいっ!! 」
そしてベッテンとレイチェルは闇と水氷の魔術を駆使し、アーマーエレファント達を文字通り蹂躙していく。
その光景にもはや王国の、自分含めた七色は声すら出せないでいた。
ある程度強くなったと思っていた自分ですらこの驚き様なのである。
他の六色からすれば最早訳が分からないレベルであろう。
その証拠にステファニーの顎が外れてしまいとても人様に見せられない顔をしているではないか。
この件に関しては彼女の名誉の為にも見ていない事にしておこうと心の奥底に封印しておく。
「まったく、強くなりすぎだ馬鹿野郎」
そんな光景に毒づきながらも縦横無尽に駆け巡るベッテンを見て自然と嬉しさが込み上げて来る。
強くなってくるとセラという女性達についていったは良いのだが、俺の想像をはるかに超えて強くなり帰って来たのだから実に頼もしい限りである。
後はこの魔獣達を彼女達が駆逐するのを待つだけであろう。
下手に戦闘に加わったり後方からの援助をしようとところで彼女たちの邪魔でしかならない事ぐらい理解できている為、悔しいが今の自分の実力では何もせず見守る事こそが今できる最善の行動であろう。
その事が理解できているのか王国王都側から銀色の魔力による砲撃は鳴りを潜め、あのプライドが高く攻撃的な赤でさえ大人しくしている。
あれからというものベッテン達三人は魔獣という魔獣をそれこそ討伐ランク関係なく次々と討伐していくのだが、三つのダンジョンから沸き出す魔獣達の勢いは収まる気配を見せず、いくらアーマーエレファントですら軽く討伐してみせたベッテン達とも言えど流石に焦りが見え始めてきていた。
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