第503話お前らしくもない

 エルフは男性と女性が半々見たいであるが、お互いに繁殖力が低く一回の妊娠で身籠もれる胎児の数は人間と同じで一人である為三人産まなければ種の存続が出来ない現実が現在のエルフ無いしハイエルフの減少なのであろう。


 そして俺はそんな持論を頭で考え現実逃避をしつつ、奴隷にしたところで束縛しなければ奴隷では無いと自分に言い聞かせながらダークエルフ達を奴隷にしていくのであった。




◇◆◆◇




 王国の中心都市シュゲルマ、その中心部に位置する王城その中庭でコンラッドは木刀を手にし最早日課である素振りをしていた。


 もう幾度素振りしただろうか。


 それこそ素振りを始めたばかりの頃は一回一回律儀にその回数を数えていってたのだがそれが日課となるといつの間にか回数は数えなくなった。


 ただそこには木刀が空を切る音と様々な角度から繰り出される技による足音と酸素を求め荒く呼吸する音だけが聞こえて来る。


 しかし、どれ程型に合わせて素振りをしてもコンラッドの心は一向に収まる気配を見せない。


 その光景を見た者は青に選ばれた男の覇気もオーラも無いただがむしゃらに強くなろうとする未熟者の姿にしか見えないであろう。


 そんな光景がそこから更に小一時間程続いた後、コンラッドは目で追うのもやっとという程の動きで斬撃を繰り出していく。


それれはもはや常人のスピードは遥かに超え、一つの高みにたどり着いた者のみが許されるスピードであっただろう。


 それも最早過去のものであると彼は知っている。


「おいおいどうしたんだよ最近。 お前らしくもない」


 そんな常人のスピードを遥かに超えて動いているコンラッドがいる中に一人の男性が入って来る。


 その瞬間中庭には木刀と木剣がぶつかり合う音が新たに響き出す。


「……」

「おいおい、無視かよ。 これでも気にかけてやってんだぜ? おっと、今のは危なかったぜ」


 そんな彼をコンラッドはかけられた言葉は無視しつつも中庭に入ってきた事には木刀で返す。


 そのコンラッドのスピードを見切り受け切る彼もまた常人離れしていた。


 しかし、彼は高火力による怒涛の攻めが土俵でありコンラッドの戦闘スタイルは分が悪く防御するだけで精一杯であった。


「赤か」


 一通り撃ち合った後、コンラッドはまるで今気付いたかの様なそぶりで彼に与えられた色で呼ぶ。

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