第501話我らを奴隷としてお傍に置かせてください

「我々はクロ・フリート様の使役されているフィオ様とマリアンヌ様により助けて頂来ました。そしてあの時のフィオ様を見て我らダークエルフはクロ・フリート様に仕えると心に誓いました。一生かけて我々ダークエルフは時にクロ・フリート様矛となり時に盾となりこの身を捧げましょう。 そしてクロ・フリート様は我々ダークエルフの主人となって頂きたく思います。どうか我々にお慈悲を」

「………フィフィー、マリアンヌ…説明をしてくれ」


 とりあえず犬猫ですら拾って来て飼うかどうかで揉める家族だっているのだ。


 むしろ命を扱うという点に置いて揉めないにしろ飼うにあたって話し合いは間違い無くするであろう。


 犬猫一匹でもこれなのだ。


 それがダークエルフの女性が五百人ともなれば話の大きさも理解できるだろう。


 しかも彼女達は奴隷にしてくれと言っているみたであり、その事が余計に頭を抱えそうになる要因となって俺を襲う。


 そんな五百人もの運命がかかった案件をおいそれと決めれるわけもなく帝国の、修復し始めた城へとダークエルフ達を連れて来た二人にどうしてこうなったのか詳しい説明を求めてしまうのは当然の結果と言えよう。


 そして彼女達の説明を聞いた内容と言うのが、ダークエルフはエルフの国で奴隷として数百年間過ごし、見下されて来たのだと言う。


 そんな時、エルフ自慢の白亜の城が突如として消え去り、そこには白銀に輝く美しい天使然としたフィフィーの姿があったのだと言う。


 その瞬間、城と同時に自分達の隷属状態も全員が解かれ、自由を得たのだという事に気付く。


 ダークエルフ達は神の如き神々しさを放っているフィフィーの元で仕えようと懇願しに行くのだが、そこでフィフィーもまた俺に仕えている事を話したのだという。


「何卒、我らを奴隷としてお傍に置かせてください。ご主人様の為に我らダークエルフは命を懸けて誠心誠意尽くす所存でございます」

「俺の為に命を懸ける必要もないし奴隷になる必要もない。せっかく自由の身になったのだから俺がどうとかではなくて自分の好きなように生きるがいいさ」


 その瞬間ダークエルフ達の顔が喜びに破顔していき、中には嬉しさのあまり泣き始める者まで現れだす。


 今まで数百年にわたり奴隷として扱われ、冷遇されてきたのである。

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