第481話エルフがいればハイエルフもいる



 それがこの国が帝国に侵略されなかった理由の一つでもある。


 その理由とは、エルフの国であるユグドラシュ国は今現在いる国スタッフホルモンとしか貿易をしておらずスタッフホルモンとしか貿易はしないと公言しているからである。


 しかし帝国側がそれを黙っているはずがなく定期的に攻撃を仕掛けスタッフホルモンを生かさず殺さずで残す事によりエルフ作のアイテムを格安で買い叩ける状況を作っていた。


 しかしスタッフホルモンからすれば後ろは「入れば命の保証は無い妖精の森」前は「帝国」と最早為すすべが無かった為に一方的な貿易を帝国にされていたのであるのだが、買い叩かれていたとしても腐ってもエルフ作のアイテムである。


 スタッフホルモンはスタッフホルモンでそれなりに潤っており、定期的の戦争もその財で傭兵を雇いしのいでいたりするのだが自国民を積極的に戦争に駆り立てる国民数、人口からみた国力はその戦争のせいで未だに厳しい限りである。


「何かBランクで手頃の依頼は無いのかしら?」

「いらっしゃいませ。 Bランクですね、少々おまち……へ? は、ははは、はいはい…」

「わたくしの顔を見ただけで何をそんなに緊張しだすのかしら?このエルフの顔がそんなに珍しいのですの? あなたもエルフでしょうに」

「ハイエルフ様っ!?」

「…? まあ、一応はハイエルフですけれどもエルフがいればハイエルフもいるでしょうに」

「そうなんですよっ!! 何を隠そうマリアンヌ様はハイエルフ様なのです!!」


 部外者の、いつのまにか金魚の糞の如く付けて来ているエルフの娘がうるさいのはもう相手にしない反応しない無視に徹するとして、たかだかハイエルフってだけでこの驚き様は一周回ってばかにしているのではと少し苛立ってしまう。


 エルフがいればハイエルフもいる。


 当たり前の事であるし、今までクロ様と共に何人ものハイエルフと闘ってきましたし、クロ様のご友人にも何人かのハイエルフがいた事を思えばそこまで驚く程のものでも無いでしょうにと思ってしまう。


「そ、それはそうですけど人口の割合がそもそも違いますっ!! そもそもただでさえ人族の中でも少ないエルフの中でハイエルフは更に少ないんですっ!! それこそ王族かその血縁者しかいませんし、てかその高貴なお方が何をなさってるんですかっ!? 国王様に言いつけますよっ!?」

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