第464話体内に入った毒の量は致死量である
カウンタースペルで打ち消せるのだろうか?
しかし、潤んだ瞳でこちらを見つめて来るウィンディーネを見ると色々どうでも良いや、据え膳食わぬは何とやらと悪魔の囁きが聴こえて来る。
元々ゲームのキャラだけあって異性としての魅力は高い上にそんな態度をされればいかに朴念仁認定をされた事があるクロであろうとも今すぐにでも頂きたいと思えてしまう程今のウィンディーネは魅力的に見えてしまう。
しかし、複数の妻達を抑えて家臣との間に子供を作るというのは人としてどうなのだろうか?
あの時、キュートスの胸を欲望に負けて揉んでしまった時から俺はウィンディーネの毒牙に噛まれていたのであろう。
体内に入った毒の量は致死量である。
「と、取り込み中の所すまない。私はこの街のギルドマスターのラビンソンという者です。今回は貴方のお陰でこの街は助かりました。なんとお詫びして良いのか……」
「いえ、構いませんよ。これから自分の国になるという帝国の防衛ですからね」
しかしそんなウィンディーネの口撃をギルドマスターであるラビンソンが割って入った事で子作りの話から一気に国防の話まで持っていきその話をここぞとばかりに盛り上げていく。
心の中でラビンソンを褒め称える程クロはウィンディーネの罠から抜け出せなくなる所だった。
視界の端ではウィンディーネが可愛らしく頬を膨らまして抗議の視線を向けて来るのが見えるのだがあえて見えないふりをする。
「なんだいなんだい? 随分と余裕あるじゃねえか。 これは久しぶりに期待できそうだねえ」
それは一瞬であった。
それが現れた時にはクロは一撃を受け森の奥を更に抜け荒野まで吹き飛ばされていた。
「しかしこうも簡単に吹き飛ばされるとは思わなかったからちと力を入れ過ぎたみたいだね」
「貴様……クロ様に攻撃を加えて私が黙って見ているとでも思っていますの?」
そしてめんどくさそうに歩き始めたそれをウィンディーネが鬼の形相で止めると同時に【水弾】を無数に錬成し、最大出力にて目標に向け撃ち放つ。
「おや、其方はあやつのつがいなのかい? あたいはどっかの凝り固まった年増と違って強い雄がその遺伝子を残す為につがいの雌を何匹も作るのは当たり前だと思っている口でね……だから其方がその年増と同じ考えならば今ここで踏み潰してやるのだが久しぶりに上玉の可能性である雄を逃す訳には行かぬ。 其方の相手はまた今度してやろう」
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