第437話誇りとプライドが許さない
そんな事を知らないはずがない目の前のボナは良い笑顔で「当然です」と言い切る。
「魔術もスキルも使えない私に戦う力を伝授してくれた師匠でもあります。勝てるはずがありません」
「ほう、それは魔術やスキルを使ってか?」
「当然です!」
そう言う彼女はとても誇らしげで、クロ・フリートの人となりがなんと無くだが分かった様な気がした。
だがしかし、クロ・フリートは彼女を魔術やスキルを使って倒せる事まで喋ってくれた。
それだけ聞ければ十分だろう。
クロ・フリートは彼女を魔術やスキルを使って倒せると言ったのだ。
であれば何らかの方法ー特定の魔術及びスキル、特定の属性、制限時間、etcーとにかくこの状況を打ち破れる方法があるという事である。
しかし、もし対策が分かったとしても五分の状況に持ち込めれば良い方だとエルルは考える。
それ程までに彼女は魔術及びスキルが使えない者とは思えないほど強いと数度の攻防で分析していた。
「だって段位十以上の魔術はそもそも打ち消せれませんし、使われた瞬間負けますよ」
「段位十……だと?」
「そうですが? それを使わないとしても同段位の物と比べ威力は落ちますが打ち消せれ無い魔術やスキルを使われて終わりなのですが」
そんな私に彼女は答えを言う。
しかしその答えは余りにも絶望的な内容であった。
段位十以上の魔術だと?普通なら嘘だと一蹴するのだが、彼女の反応からはとても嘘をついている様には思えない……それどころか当たり前であるかの反応をしていた……それに打ち消せれない魔術やスキルだと?
今まで効率ばかりを考えて来た私の魔術とスキルに同段位で威力が落ちてしまう様な物は間違いなく覚えて居ないだろう。
だからと言って諦める事は私の誇りとプライドが許さない。
「水柳御剣流【鬼首切り一閃】」
「くうっ!」
「水柳御剣流【鬼殺し】」
「こ、これでスキルじゃ無いって……どんだけなんだよっ!?」
気がつくと彼女、ボナが真後ろに現れ私の首筋に捻りを加えた斬撃を横に一閃、それをギリギリのところでなんとか避けると捻りを加えた斬撃を放ち終えた反動を利用し、いつの間にか逆手持ちに変えた片刃剣を私の脇腹に突き刺そうとするのを寸前の所で杖で受け止め即座に後退する。
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