第430話羞恥心を若干感じてしまう
しかしながら初見こそはびっくりしたものの今現在に至っては毎日欠かさず手入れをしているのが一目で分かる体毛の肌触りが地味に癖になりつつある私は、今はオーソドックスな人族の姿をしているボナさんにもう怖がってないという気持ちを込めそっと抱きつく。
今のボナさんは勿論可愛いのですが、魔族の姿のボナさんも愛嬌があって可愛いと思う。
だけど私に抱きつかれあたふたしながらも怖がられてなくて良かったとホッとしているのが分かるボナさんもそれはそれで可愛いかったりする。
「で、では買い出しに行きますよエマ!」
「ボナちゃんエマちゃん今日もおはようさん」
「おはようございますポールさん。今日のおすすめは何ですか?」
「おう、今日はボナちゃん達の為に取っておいた物があんだよ。やっと米が手に入ってな」
帝国旧都市にある城下町へボナは仲間がだしてくれたデモンズゲートを使いやって来ていた。
因みに崩れて旧王城に交代で常にクロ様の使用人が配置されておりデモンズゲートはそこに出現されるようになっている。
そして訪れた旧都市にある城下町へ食材を買い出しに来た二人なのだが、商店街通りを歩いていると顔見知りとなった店主などから挨拶などされる。
そのうちの店主一人が米が手に入ったとボナさんに告げるとボナさんは物凄い勢いで店主の元へと駆け寄るとズズイと身体を店主に近づけ手を握る。
その顔はプレゼントが届いた子供の様だが身体は大人の、それも物凄い魅力的な身体をしている為店主の鼻の下は心なしか伸びている。
その店主の後ろにはひたいに青筋が浮き出ている般若が立っているとも知らずに。
「本当にお米が手に入ったのですかっ!?」
「本当だよボナちゃん。あんたんとこの魔王さんには良くしてもらってるからね、米くらい何とかするさ」
「ぎ、ギブっ!ギブっ!」
ボナさんの言葉に店主の女将さんが対応するのだが店主は女将さんにコブラツイストの要領で関節技を決められている。
側から見れば物凄いシュールな光景である事はエマでも分かる為羞恥心を若干感じてしまう。
それにしても、とエマは魔王の使用人であるボナさんに友好的なこの商店街の人々の反応に最初は戸惑っていた。
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