第427話ザマーミロと言ってやりたい
まさに身から出た錆だな、とラビンソンは思う。
そしてラビンソンはここまで言うとジェネイルの服から手を離し、ジェネイルはそのまま尻から地面に落ちる。
その際ジェネイルは「グエッ」っと再度悲鳴を上げるが今回の悲鳴にはある種怯えにも似た感情も感じ取れた。
「で、どうするんだ?嬢ちゃん達」
「そうですね……ギルドルールの一つに『いざこざは決闘させる場合がある』というのを使い今回は決闘したいと思います」
「……今回の件は明らかにこのジェネイルに非がある。わざわざ決闘なんかしなくても然るべき手順を踏めばこいつを牢屋に入れる事も出来るのだが?それに国は今言った様にめまぐるしく変化している。今回此奴を牢屋に入れた所で出てきた時には君に復讐出来ない世の中になっている可能性が高い」
「そうですね……私もそう思います」
「だったら……」
「……それよりも、他人の手でどうこうするよりも自分の手で私達の主人をコケにした事を思い知らせてザマーミロと言ってやりたいのです」
今回の件をどう扱うのか聞かれたウィンディーネは自分の手で始末をつけると強い意志を持って返す。
どうやらウィンディーネは自分が思っていた以上に怒っている様である。
「では今日はもう遅いので明日の午後一時、ギルド闘技場でお待ちしております。大幅な遅刻または無断での欠席をした場合ペナルティーが付きますのでご注意下さい」
「はい、分かりました。ありがとうございます」
「いえ、それでは明日の健闘を祈ります。……わ、私の分までボッコボコにしてやって下さい!応援してます!」
馬鹿どもに絡まれてから約二時間、日が落ち辺りはすっかり夜になったころウィンディーネ達はやっとの事で正式な手続きを終えた所である。
「やっと外の空気を吸えましたねー」
ギルドの外に出るとミセルが「んー……っ!」と一度大きく息を吸いながら伸びをし、そんな事を言う。
その際胸が強調されるのだが、あいも変わらずそこには果てしない絶壁が広がっていた。
因みにこのギルドを出る際、陽は落ちて辺りは暗くなっているからという建前を使い数組の男共がナンパしに来た事も疲れている要因の一つでもある。
あんなものを見せられ良くナンパできるなーとミセルは恋愛とは時に強気で押すべきなのかもしれないとある意味感心していたりする。
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