第399話悪かったっすね……私で
「うげ、酒臭っ!! あんたまたギルド内の更衣室にお酒隠して飲んでんでしょ!?」
「職務中は飲んでません!」
「当たり前だ!!」
「あいた!?」
ミランダを呼ぶ同僚らしい女性二人組の片割れがスパーンと頭に突っ込んだ音が店内に児珠し、反響した所でいつもと違う雰囲気に気付いた同僚二人組が固まる。
その二人組の仲の良い同僚を見たミランダは最早死ねるのではないかというぐらいの羞恥心に襲われ、今すぐにでもあの馬鹿共を張り倒した上で逃げ出したい気分である。
「呼ばれてるみたいだけど?」
「ひ、人違いじゃないっすかなー……お、おんなじ名前の方が来てるなんて偶然っすねー」
「でも明らかにミランダさんを信じれない物を見るかの様な目で見てるんだが? ……あ、こっちに来るみたいだぞ?」
何故この私に訪れた奇跡の様な時間を邪魔するのか?そして何故邪魔するだけでは無くこちらに来ようとするのか?
いっそのこと私と気付いたのならそっとして置いて欲しい。
というか回れ右して別の店に行って欲しいものである。
「とんでもない美人がいると思ったら……」
「まさかとは思ったけどやっぱミランダだったなんて……」
「マルシアにアンジェラ……わ、悪かったっすね……私で」
人の気持ちも知らないでやって来た同僚に私は有りっ丈の怨念を込め声に出し睨め付ける。
「はっ!? ご、ごめんミランダ! まさか本当にデートしているなんて露ほども思って無くて……邪魔しちゃったかな!?」
「いやーごめんごめん……てかヤバイくらいめちゃくちゃイケメンじゃない!? 今のミランダとこのお方がいれば店の空気も変わるのも納得だわ! 名前っ、名前なんて言うのかしら?」
「こらこら、あのミランダがなけなしの勇気を振り絞って狙っている異性なのよ? あんたが横取りしようとしてどうすんのよ……全く」
そのミランダの気持ちに気付いたのか気付いてないのかマルシアとアンジェラ二人は一応形だけの謝罪はするもののアンジェラはナンパし始め、それを嗜めるマルシアなのだが胸元のボタンをさり気なく二つ程外し、ギルドで働く女性職員内でも上位に君臨する巨乳をアピールし始める。
「ミランダが逆ナンした相手を受け付けしていたジェシカから聞いてはいたのだけれど……冒険者には見ない種類のイケメンよねー」
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