第388話ブラフに決まってる
その光景にスーワラ聖教国側はコーネリアの勝利を確信し歓喜の声を上げ、クロ・フリート側は歓喜の声や悲鳴など様々な反応を見せる。
誰がどう見てもコーネリアの勝利は揺るがないと思える光景に周りが騒ぎ立つのだがコーネリアはこの光景を目にしても未だ、どこか余裕すら感じるクロ・フリートを見て一気に全身に怖気が走り背筋が凍る。
「こ、この状況を打開出来る何かがあるのか?………いや、召喚モンスターも存在せず、更に神の加護か魔術段位十という奇跡の天使様だってこちらにいるのだ。きっとブラフに違いない」
そうだ。きっとブラフに決まってる。
そう思うもその考えを一蹴してしまう程の余裕を見せるクロ・フリートにコーネリアはその不安と可能性を消す様にブラフだと強く願う。
「サモナー同士の闘いには基本的な戦法が三種類ある。勿論変則的な物も入れるとその限りでは無いのだが……一つは低段位モンスターで一気に攻める戦法、二つはロックやハンデスなどで場を固めより優位に戦況を進める戦法、三つは勝利が確信出来るまで亀の様に守りに徹し時が来たら一気に攻める戦法」
「………な、何が言いたい。だからどうしたと言うのだ」
「まだ分からないのか? 貴様の様に何のコンボも策略も無く出せるモンスターを何の考えも無く召喚出来るからと召喚する戦法は三流以下の子供がする戦い方だと言いたいんだが……そして俺の戦法はどちらかと言えば三でな……」
「………う、嘘だ……」
そしてコーネリアは先程までのクロ・フリートの戦い方を思い出す。
彼は場を優位に進めているにも関わらず消してコーネリア本人には攻撃して来ず終始守りに徹していた事に。
「まあ長話も何だしこの闘いもそろそろ終局と行こうか。闇の召喚魔術段位十二【堕天した熾天使サタン】を『十秒以内に自分がコントロールするモンスターが十体以上破壊された時このモンスターを召喚するコストを支払わず召喚しても良い』の能力を使い召喚する。そして『このモンスターが召喚に成功したとき破壊されたモンスターを十体秒数に関係無く再生する事を選んでも良い』という能力を使い先程破壊されたモンスターをトークン以外再生する」
そこに現れたのは十二枚の翼を携えた一柱の天使である。しかし十二枚もの翼を持つ天使の翼は闇の様な漆黒であり、それがまたコーネリアに恐怖を与える。
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