第387話一発逆転

絶望的な幾多の戦況をひっくり返し、コーネリアに勝利を導き、その全てにおいて決して倒される事がなかった能天使ラファエルが今光の粒子となって消えて行く。


 その様は実に美しく破壊された事を忘れてしまいそうである。


 しかし光の粒子が全て消え去った後、そこには一柱の天使も居らず無情にも先程までいた三柱の天使がたかがネズミ三匹の命により破壊された事を告げている。


「っ………あ……う……っ」


 その呆気ない結末にコーネリアは受け入れる事が出来ずにただ喘ぐ事しか出来ないでいる。


 そに間も深淵のネズミは数を増やし、この隙を見逃さずクロは彷徨う骸骨を二体に骸骨の壁を三体召喚する。


 当然彷徨う骸骨は代替えコスト混みであるためその手には盾と剣を所持しているのが見える。


 どうひっくり返してもコーネリアに勝機は無く、いっその事トドメを刺して欲しいと自虐的になるコーネリアなのだがクロ・フリートは一向にトドメを刺す気配は無くそれがより一層スーワラ聖教国側の人達に恐怖心を与え知らず知らず心を折っていく。


 しかしそれとは対象的にクロ側の、特に婚約者やその周りの人物はクロが手を抜いている様に見え足元をすくわれるのではないかと不安気な表情で見守る。


「は………ははは………ははははは!!」


 そんな中コーネリアが壊れたかのように突然笑い出した為、コーネリア側は圧倒的な戦力差によりコーネリアが壊れたと、クロ側は一発逆転されるのではないかと少しざわつき始める。


「やはり神は私を見捨てなかった!! 光の召喚魔術段位十【熾天使メタトロン】を、熾天使メタトロン様の能力、自分がコントロールするモンスターよりも多く相手が闇属性のモンスターをコントロールしている場合、モンスター一体につきこのモンスターを召喚する段位を一下げ、相手が十体以上闇属性モンスターをコントロール下に置いていた場合コスト無しで召喚出来るという能力を使い熾天使メタトロンをコスト無しで召喚する!! そして更に追加効果で熾天使メタトロンが召喚に成功した時全ての闇属性モンスターを破壊する能力を発動させクロ・フリートがコントロールする闇属性モンスターを全て破壊する!!」


 それと同時にコーネリアは熾天使メタトロンに攻撃指示を出し唯一破壊されず残っていたクロ・フリートのモンスター、光の亡霊を破壊させる。

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