第357話セバスチャンという男性は私よりも強い
そして受けたダメージを全回復させたガーネットが自身の防御力を急上昇させるスキルを施すとセバスチャンへと駆けて行く。
それに遅れまいとメアリーも自動的に一定間隔で受けたダメージを回復させる魔術をガーネットに施しサポートに回って援護しだす。
「我が力は赤……世界は赤に染まり、赤に狂う破壊と暴力の渦巻く強大な力に呑み込まれん【ラース】」
そして私も禁忌の魔術、その中でも比較的ポピュラーかつ最も攻撃に適した七つの大罪の一つ憤怒を発動させセバスチャンへ挑む。
それにより急激なステータスの上昇に私の身体は軋み悲鳴を上げているのが分かるが、例え四肢が捥げようとも当然引くつもりなど毛頭無い。
だと言うのにセバスチャンは私達三人相手にまだ余裕がある様である。
「化け物め」
赤いオーラを纏いミズキが縦横無尽に戦場を駆け巡りセバスチャンを跳ね上がったその速さで翻弄し、攻撃して行く。
その周りはミズキが駆け巡る度に姿形を変えながら戦闘を繰り広げる。
そんなミズキの猛攻をセバスチャンは難なく避け、更に魔術により反撃までしてくる。
それは最早人間だろうと例え魔族だろうと有り得ない強さである。
まさに化け物と言っても過言ではないだろう。
その間もセバスチャンはミズキによる猛攻の隙見つけ出し攻撃、それをガーネットが防ぐとメアリーが回復を施す。
最早認めるしかない。このセバスチャンという男性は私よりも強いと。
であるならば強者としての奢りは邪魔でしかなくいつまでも持っていては間違いなく負けるだろう。
そして私は覚悟を決める。
「我青は常に欲する。どんなに満たそうとも満ちる事なき底なしの欲望【グリード】」
七つの大罪を更に発動し強欲を自分にかける。
「我がミズキが命じる。その鍵を開き門を開けたまえ【魔力増殖炉】」
七つの大罪の一つ【グリード】を使い自身の魔力値を大幅に増やす。
そして発動前の魔力値では発動できなかった魔術【魔力増殖炉】を発動させ無尽蔵に魔力を回復させる魔術を自らに施す事に成功する。
しかし身体は力を得るのとは対象的に悲鳴を上げ軋み目からは血が流れ落ちる。
「光の旋律は最早意味を成さず、あるのは崩れかけた虹の橋【蜃気楼】」
さらにミズキは魔術【蜃気楼】を発動させ相手の攻撃を三分の一の確率で無効化させる施をさらに付与する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます